概要

連携研究による効果

学問的効果

このような国立大学歯学系研究者が密な連携を通し、社会的要請の高い研究テーマで共同研究を遂行する取組はこれまで実施されたことはなく、また将来の歯学研究者を全国的に発掘、育成しようという試みはなかったので、これらの事業計画の実施により日本の歯学研究の中、長期的なレベルアップが期待される。

特に本事業の機能再建を目指す3つのカテゴリーは、国民の口腔QOLの向上に重要な役割を担い、次のような効果が期待できる。

A
口腔環境制御研究のカテゴリーでは、口腔慢性炎症の病態、摂食・嚥下障害の疫学、口腔免疫機構の解明を目指すことにより、高齢者の口腔環境の特徴、治療法の開発が期待される。
B
咀嚼・嚥下機構研究のカテゴリーでは、咀嚼・嚥下の神経性調節および同障害の診断基準の確立、味覚感受機構、神経可塑性の基盤の確立を目指すことにより、口腔機能障害の新たな治療法の確立が期待される。
C
再生工学研究のカテゴリーでは、硬組織の形成・再生機構の分子基盤の確立、新規バイオマテリアルの開発、粘膜・骨膜培養法の確立を目指し、口腔器官へのあらたな再生工学的手法の確立、応用が期待される。

社会的効果

機能再建を目指す3つのカテゴリーを高い研究アクティビティーをもつ国内の歯学研究者の共同研究の推進により、より効果的な口腔機能の再建方法が確立され、国民の口腔QOLの向上に役立つと考える。また、本事業展開中に、公立大学歯学部、私立歯科大学歯学部に属する優秀な研究者へ本事業への参加を促し、日本全国の歯学部の英知を結集し、より効果的な口腔機能の再建を目指すことが期待される。

改善効果

本事業では各大学の蓄積してきた人的資源、教育・研究資源を基盤とした連携機能を活用して、学問領域の横断的研究を進めることで、全国国立大学歯学部全体の教育・研究機能のボトムアップが図られる。また、現在、研究者を希望する大学院学生、特に歯学基礎系を志望する大学院学生が減少する中、将来の歯学研究をリードする世界水準の人材不足が懸念されている。本連携機能を活用した優秀な人材の発掘、集中的な教育・研究指導による人材育成が期待される。さらに、バーチャルラボラトリーを設置することにより、大型研究機器の効率的な全国共同利用が推進される。


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