歯学部同窓会の今後の活動について 同窓会会長 梶川幸良
  最近、厚生省の検討会が「インフォームドコンセント」の普及を促す報告  書を発表した。これは従来のおまかせ、受動の医療から受ける医療を自分で  責任を持ち選択する患者参加型の医療への転換を求められています 。医療  には基本的な特徴として、再現性に乏しいために医療サービスの内容につい   て医師と患者さんとの間に情報の不平等が存在しています。しかし、近年の  生活の質 QOLを高める医療のためには「インフォームドコンセント」が  必要であるとまとめられています。又中医協の審査、指導、監査小委員会で    も、指導大綱・監査要綱の見直しが報告されております。両者とも医療現場  の質の検討と共に、従来の慣習から抜け出てより透明感を高める改革である  一面もありそうです。さて、去る1月17日におきました阪神大地震により  被災された会員の義援金の募集につきましては種々検討の結果、近畿支部に  窓口をお願いいたしまして拠金を募りましたが、御協力頂きました会員の皆    様には厚く御礼申し上げます。拠出いただきました義援金は甚大な被害を受    けられました3名の会員の先生方に近畿支部より分配させていだたきました。  この未曾有の災害は個人での危機管理のあり方と共に、同窓会組織としての    対応のあり方にも多くの教訓を残しました。甚大な被害を受けられました先    生方の一日も早い復興をお祈り申し上げます。 この4月の総会に於きまして平成7年度の事業計画、予算案が承認頂きま  した。厳しい予算ではありますが1346名の会員のために効率的な運営を行っ    てまいりたいと思っております。メインとなります本年度の学術事業は顎口    腔系の機能異常と治療 ”顎関節症の診断と治療”をテーマとして講演3題  と実習研修セミナーが企画されております。顎関節症は最近広くその病態が  知れる所となり、個々の医院にての対応も問われる様になっております。  この機会に是非受講されまして造詣を深めていただければと思っております。  ところで、近年インターネットなどパソコンでのネットの話題が多く取り  上げられておりますが、同窓会の有志と新潟大学歯学部とがこの2月より、  niigata-dent という名称の電子メールの交換システムをつくりパイロット  事業を行ってまいりましたが、今回正式にniigata-dentとして運営していく こととなりました。歯学部の教官と同窓会会員を主な対象として、広く歯科  医療一般について情報交換、意見交換を行うこととしております。多くの  方々の御参加をお願いいたします。同窓会はこの事業を側面から支援いたし  ますか、゛今後発展し、学内と同窓会との交流の場として、又医療現場での    診療支援としての大きな手段となることを望むところであります。   最後に本年度、難関を突破して歯学部に入学されました31期生の皆様の  ご入学、そして歯学部同窓会準会員としての入会を歓迎いたすと共に、この  6年間での修学で大いに成長することを願っております ( 平成7年7月1日 )