投書箱

歯学部ニュース廃刊に絶対反対します

北海道大学歯学部口腔解剖学第一講座 吉田重光(10期生)
前略先日、「歯学部ニュース」の平成7年度第1号を受け取りました。私も新渇を離れてこれで丸4年が過ぎましたが、新潟大学歯学部在学および在職中は本当にパラパラとめくって読んでいただけであった「歯学部ニュース」も、新潟を離れてからは、それこそ隅から隅まで読むようになり、今度はいつ来るんだろうかと毎号発刊を楽しみにしております。
ところが、平成4年度までは毎年3号づつ発刊していたのが、平成5、6年度では2号づつの発刊となってしまい、今回は何と、「歯学部ニュース」を廃刊しようかという話しが出ているようです。私は、このような話しが出るのは大学内の人からであって、決して大学外の人からでほないと思います。というのは、私も編集委員をやった経験がありますので分かるのですが、この「歯学部二ュース」を発行するには、原稿は集まらないわ、縄集・校正は大変だわで、桔構な労力と忍討が必要だからです。しかもやっと発行してみても、果たしてみんなちやんと読んでくれているんだろうか?こんなマンネリな内容ならみんな知っていることだし、何もわざわざ苦労して出さなくてもいいんじやないか?と思うことがあるのも理解できるからです。
しかし、これはあくまでも大学内にいる人の考え方です。大学内にいる人にとっては、この「歯学部ニュース」に書かれていることは多かれ少なかれ既知のことであって、特に新鮮味はないでしょうが、私のように母校を離れた人間にとっては、この「歯学部ニュース」が新潟大学歯学部に関するほとんど唯一の情報源なのです。このような冊子があることによって、自分と新潟大学歯学部との結び付きが保たれていると言っても過言ではありません。また、この「歯学部ニュース」は父兄にも送られています。自分の子供を新潟大学歯学部に通わせている親にとっても、やはりこの冊子は唯一の情報源であり、学部にとっては新潟大学歯学部に対する理解を深めてもらうための唯一の広報活動の場でもあるわけです。これほど貴重な冊子を廃刊ですって?全く信じられないことを言い出す人がいるものです。このような冊子を持っていない学部が、同窓生や父兄の理解を得るために、どのくらい苦労しているか分かっているんですか?新渇大学歯学部の方々は、この「歯学部ニュース」がこれまで堆涜して発刊されてきたこと、すなわち学部における情報公開・広報活動が、新渇大学歯学部をどれほど風通しの良い学部にしてきたかをもう一度考え直すべきです。
この「○○学部ニュース」はいわゆる大学粉争の落とし子として全国の大学・学部で出来たそうですが、紛争の柊息とともにたちまち消えてゆき、今だに発行ざれているのは全匡でも珍しく、ひょっとすると新潟大学歯学部だけかもしれないということです。北海道大学歯学部も同様で、大学紛争時にはそのような冊子があったそうですが、今は全くありません。平成6年度第2号の月集後記に山田好秋先生もむかれておりますが、私も北海道大学歯学部にもこのような冊子があればどれだけ学部内の風通しがよくなることか、と嘆息しております。そのため、学部内の広報冊子を創ろうかと模索していますが、何せ予算面で厳しく、必要性は承知しながらもままなりません。その点「歯学部ニュース」は少ないながらも文部省から予算がついているはずですよ。それをみすみす廃刊なんて!本当にこの冊子の価値を分かっていないんじやないでしょうか?
さて、記事の内容ですが、確かにマンネリ化しているところはあると思います。それを何とかしようとするのは分かります。でも、今回の平成7年度第1号は全くいただけません。<素顔拝見>はない、<海外レポート>はない、それに何より<外国出張>、<あしおと>がない。私のように母校を離れた人間にとって新任教官の紹介や海外レポート、人事消息は母校の移り変わりを知る上で、最も貴重な情報源であり、しかも他の情報源(同窓会誌や歯学会雑誌)では得られないものです。また、今回は特になかったので載せなかったのだとは思いますが、このような冊子にとって最も重要で意義のある内容、すなわち<歯学部の将来に関わる問題>を載せないなんてことは、まさかないんでしょうね?
この文章を書きながらだんだんと腹が立ってきてしまい、少し過激になり過ぎたきらいがあります。しかしこれは本心です。「歯学部ニュース」は新潟大学歯学部の足跡そのものです。新潟大学歯学部を振り返るときの第一級の資料となるものです。全国でも珍しい「歯学部ニュース」を絶対に廃刊になどすることの無いよう、また、第一級の資料としての価値を減ずることなく継続的に「歯学部ニュース」が発刊されることを切に希望します。
歯学部ニュース廃刊絶対反対!!
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