患者さんを信頼し、自分を信じる

附属病院長 野田 忠

卒業おめでとうございます。6年間の学生生活は、長く厳しいものだったと思います。辛いこと、楽しかったこと、思い出したくもないこと、もう一度やってみたいことなど、さまざまでしょう。とにかくあなた方は歯学部を卒業
し、国家試験をパスして歯科医師になります。

食べることによって我々は生きています。もちろん高栄養の点滴などでも生きることはできます。病気でやむを得ない時はしかたがありませんが、元気に楽しく食べることは生きている証しでもあります。「元気に楽しく食べる」それを手助けするのが歯科医師です。 患者さんは元気に楽しく食べるために歯科医を訪れます。その期待に応えるのが我々歯科医師の役目です。期待に応えるには我々歯科医師が知識と技術をしっかりと持っていなければなりません。

また患者さんの痛みを分かる心を持っていなければなりません。6年間の新潟大学歯学部の教育で、あなたたちは歯科医師としての基礎を学びました。1年間の臨床実習では、いろいろな治療を経験しました。しかし、
まだ未熟で経験しなければならないことも無限にあります。一生懸命患者さんの治療をする。それが我々歯科医師の使命です。その時の自分の持っている最高のもので治療してください。ベストを尽くして治療している自分を信じることができる研修を積んでください。それを患者さんは分かってくれます。患者さんが不満を感じていたら、分かってくれると信じてベストを尽くし、足りないところがあったら補い、さらに高度の知識・技術を身に付ける努力を続けてください。

歯科医師は一生涯研修を続けなければならない仕事です。健康に気をつけて頑張ってください。


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