

新潟大学歯学部では、従来の「歯」という小領域を中心とした学問の枠組みを見直し、歯学を口腔生命科学としてとらえ、これからの歯学界をリードする人材を育成することを目的としています。学問の進歩、社会環境の変化などに対応するため、常にカリキュラムの見直しを行い、学生教育を行っています。
1年次には五十嵐キャンパスで他学部学生とともに教養教育に関する授業科目を学ぶとともに、医歯学総合病院歯科で歯科治療の現場を体験します。2年次になると学習と生活の場は旭町キャンパスへと移ります。「新潟発『食べる』」や「顔」といった教養的な科目に加え、一部の専門的な科目が開講されます。この中には生体内でおこるさまざまな物理・化学的現象を学ぶ生体理工学や高度な分子生物学的内容を含んだ細胞生物学なども開講され、口腔生命科学を学んでいくために必要な基礎知識を履修し、3、4年次には講義コーディネーターにより工夫された専門教育に関する授業科目を学ぶとともに、治療技術を習得する模型実習が始 まります。模型実習は少人数のグループごとにインストラクターが配置され、マンツーマンの指導が行われます。
また、新潟大学歯学部が全国の歯学部に先駆けて導入したコンピューターシミュレーションを用いたマネキン実習を行い病院で患者さんの治療に当たる前に、より実践的な実習を経験することができます。さらに隣接医学の講義も開始されます。5年生に進級すると、実際の歯科臨床で遭遇するさまざまな疾患を統合的に診断・治療していくために必要な理論・技術を学びます。5年生の6月からは臨床予備実習が始まり、12月から約1年間の臨床本実習が行われます。臨床本実習では、優秀な指導教員のもと、実際の患者さんを対象に実習が進められ、歯科医師として必要な基本的な技術の習得、心構えなどを学んでいきます。
講義内容(シラバス)は冊子として学生全員に配布されるとともに、インターネット( http://www.dent.niigata-u.ac.jp/syllabus/ )上でも自由にみることができます。なお、各講義内容、講義方法に関しては学生による評価を行い、各教員はこれらの評価結果をもとに教育方法の改善に努めています。

新潟大学歯学部では平成12年度入学生より新カリキュラムのもとで学生教育にあたっています。新カリキュラムでは以下のような特色あるカリキュラムを編成しています。
1. ゆとりある教養教育
従来、1年生に限定したため、過密になりがちであった教養教育に関する授業科目を2年生でも履修できるようにゆとりをもうけました。
2. 早期臨床実習
入学後まもない1年生から養護・介護施設を訪問し、医療現場を体験する実習や病院における歯科治療の第一線にふれる早期体験実習を実施し、モチベーションの高揚をはかります。
3. 専門科目の統合、再編成
従来からある分野単位の講義・実習を見直し、分野の枠を越えた講義体系としました。専門教育に関する授業科目を口腔生命科学総論および各論、総合口腔生命科学の3つに再編成し、それぞれの講義、実習は講義・実習コーディネーターが中心となって企画・立案され、実行されます。講義・実習内容の重複を避けることにより、密度の高いバランスのとれた講義・実習を提供します。
4. 社会環境への対応
マルチメディア時代に対応するため、コンピューター実習を取り入れています。また、国際社会に必要不可欠な語学力を養うため、1年次から4年次まで語学教育を拡大しました。
5. 実習科目の一部選択制
従来、すべて必修であった実習科目に、一部選択制を導入しました。このことにより、研究に興味のある人は研究体験実習を介護・ボランティアに興味のある学生はボランティア実習を選ぶことができ、多様な経験を積むことができます。
6. 学外研修施設での臨床実習
臨床実習の中に歯科治療の第一線で活躍している経験豊かな歯科医師のもとに出向き、指導を受けるプログラムが用意されています。

医歯学総合病院歯科で行われる臨床実習は、これまで学んだ歯学の専門的知識・技術を実際の患者さんを対象に応用し、体験を通して理解を深めるために行われ、患者さんと歯科医師との人間関係を含めて、実際的なことを学びます。
臨床実習は、5年次の予備実習から始まります。予備実習では各科のオリエンテーション、カルテ記載法、電算機入力法などを学びます。患者さんを対象とした総合実習は本実習と呼ばれ、5年次の秋から行われます。患者さん一人一人の口の中を総合的に診療するため、学生の診療室(歯科総合診療部)が設けられ、歯科総合診療部の教員と各科の教員が連携して指導にあたっています。この指導体制は本院の特徴であり、バランスの取れた歯科医師の養成を目標としています。
また、歯科総合診療部での実習のほかに、より高度の臨床知識・技術の習得を目的として、
臨床各科でも実習を行っています。歯科総合診療部で体験できない治療の実習や、教員の臨床示説による研修、歯科検診などの公衆衛生的な実習、X線写真の診断、麻酔の研修を行っています。各科に分散したこの実習は、歯科医師として必要なさまざまな知識を、各科の専門医が実習を通じて教育することによって、より深くより幅広く身に着けるのに役立っています。
卒業後の歯科研修においても、臨床各科において専門的なさまざまな研修が、研修医・大学院生に対して実施され、新潟大学医歯学総合病院歯科では、密度の高い充実した臨床教育が行われています。