実施状況

FD講演会『大学生のトータルコミュニケーション支援について』開催報告

平成21年3月18日(水)17:00~18:30、歯学部講堂において、学生支援GPを取得した富山大学から、GP採択プログラムの実施にあたって中心的役割を果たしている医学部保健管理センター長・齋藤清二先生をお招きし、学生とのコミュニケーションのあり方および実践的対応方法についてFDとして講演いただきました(写真1)。当日は約70名の参加を得ました(写真2)。

写真1 講演者の齋藤清二先生。日常の実践例を交えてわかりやすく説明いただきました。

写真2 教員約70名の参加を得て行われました。実例の多い講演であったため、熱心に聞いていただけました。

講演では、冒頭、富山大学における学生相談の実例紹介に始まり、最近の若者の気質あるいは多重留年や休学を繰り返し最終的に退学に至る大学生のドロップアウトする学生への対応の難しさについて説明されました。このような背景の中で、富山大学では学生支援を目的に「トータルコミュニケーションサポートプロジェクト」を立ち上げました。このプロジェクトは、平成19年度の学生支援GPに採択され4年間の補助を受けて全学的な取り組みとして行われているとのことでした。

トータルコミュニケーション支援では、PSNS(Psycho-Social Networking Service)という富山大学が運営者として全学構成員(学生、教員、職員)のみに提供するweb siteを通じたサービスを立ち上げ、日記、コミュニティー広場などを設置し、種々やりとりをする形式で支援を開始しました。今年2月末現在、登録者総数は2,002名(教職員667名、学生1,335名)で、富山大学構成員の約20%、参加(ログイン)人数は729名参加率36.4%とのことでした。Face to faceでの支援の重要性はもちろんですが、この形式は現代の学生のニーズにマッチし、新たな学生支援の形として有効機能していくだろうとの説明でした。来年度(今年4月)からは、すべての新入生に本webへの招待状を渡す予定ですが、参加するか否かはあくまで学生に選択させることとしており、これが強制的参加という印象を抱かせないためには重要とのことでした。また、在校生の中に少なからず存在する高次機能発達障害者の特徴と教育の場における実例を動画で紹介されました。

講演後の質疑応答の時間はわずかであったが、日常の現場での対応と問題点に関する質問が出され、活発な討議が行われました(写真3、4)。

写真3 講演後の質疑応答で質問する大島教授。

写真4 質問に対しては、日頃の対応経験をもとにわかりやすく回答していただきました。