実施状況

FD講演会「歯科医学における基礎臨床ボーダレス教育―東京医科歯科大学の取り組み―」開催報告

平成22年3月19日(金)17:00~18:30、歯学部講堂において組織的な大学院教育改革推進プログラム(大学院GP)事業の一環として、東京医科歯科大学副学長・分子細胞機能学分野教授 森田育男先生をお招きし「歯科医学における基礎臨床ボーダレス教育―東京医科歯科大学の取り組み―」と題してFD講演会が開催された。

はじめに、米国、中国、韓国、シンガポールなどの主要国における歯科医師供給状況、科学技術に対する重点施策について、日本における研究推進方策と比較しながら説明された。競争的資金獲得にあたっては、国の研究推進に対する方向性に配慮した上で申請することが重要であるとの指摘をするとともに、日本の医療研究政策の中で歯科があまりにも軽視されているとの見解を述べられた。

続いて、過去において医科歯科大で採択された大学院教育改革関連プログラムを提示しながら、明瞭かつ実質的単位化の重要性に配慮して取り組んできたことを強調された。さらに、平成20年度採択の「歯科医学における基礎臨床ボーダレス教育」は、ボトムアップを期待して立案されたプログラムで、集団指導体制の概要、幅広いコースの提供など、大学院教育を量から質に転換するために実質的な教育に取り組んでいるとの説明があった。

最後に、研究遂行にあたっては十分な研究倫理への配慮が欠かせないこと、ならびに今後の医学・歯学教育の目指すべき目標について具体的に8つの項目を提示された。本講演会は、口腔生命科学専攻における今後の研究推進にとって、多くの有益な情報が得られたものと考えられる。