Home > 歯学部の紹介 > 大学院医歯学総合研究科 先端研究
歯学部に所属する教員の力はもとより、若くて柔軟な頭をもった大学院生の力が最新の研究を進める原動力です。新潟大学歯学部で得られた研究成果は国内はもとより国外でも高い評価をうけ、数多くの英文雑誌に掲載されています。最新の研究成果は学術分野の進歩に貢献しているばかりでなく、歯科臨床に応用され、新潟大学歯学部は日本、世界の歯科医学研究の情報発信基地として活躍しています。
謎をひもとく最新の電子顕微鏡
これまでの電子顕微鏡は小さな構造の内部をみるものでしたが、電子エネルギー損失分光電子顕微鏡(EELS)は、物質の形と組成を同時に観察することのできる最新の電子顕微鏡です。骨がつくられる瞬間をとらえたのが、右の写真です。骨をつくる細胞(骨芽細胞、OB)によって、青色で示すカルシウム(Ca)の沈着がおこり、徐々に骨(Bone)がつくられる様子がわかります。日本の大学で最初に設置された研究機関が新潟大学歯学部です。

レーザー光線で見る
レーザー光線とコンピューターをつかった最新の顕微鏡が共焦点レーザー顕微鏡です。からだのいろいろな組織や細胞の細かい構造を生きたままでも観察することができ、また非常に厚い標本も観察できるという利点があります。また、コンピューター処理により、細胞の大きさなどが瞬時に画面上に表示でき、生物学研究での応用価値は広い顕微鏡です。

歯周病になりやすい人、なりにくい人
歯周病(歯槽膿漏)は歯茎中の白血球(図A)が歯茎や骨を破壊することにより進行します。白血球の種類や役割は、フローサイトメトリーという細胞測定装置(図B)を用いることにより、簡単にかつ定量的に調べることができます(図C)。また生まれつき歯周病になりやすい人がいるようです。歯茎や骨の破壊に関係する遺伝子(図D)を調べ、歯周病の診断に役立たせています。

歯の痛み、噛みごたえのセンサー
歯にはたくさんの神経が来ています。冷たいものを飲んだときの痛み、虫歯のときの痛み、歯と歯の間に髪の毛1本挟まったときの感覚も神経が伝えます。歯に来ている神経を目にするのは難しかったのですが、特殊な方法で神経線維を染めだすことができるようになり、その詳細がわかってきました。

人工的な骨を近赤外線で見る
ヒトの細胞から人工的に臓器組織を創ることを組織工学といいます。基礎研究と臨床医学の橋渡しをする役割を担っているとも言えます。右写真はヌードマウスの背中にヒトの骨を作らせているところですが、このような技術開発とともに重要なのが、その性能を評価する技術を開発することです。左写真はこの人工骨の骨形成活性を近赤外線蛍光イメージングによって、マウスを傷つけることなく評価しようという試みです。比較的安価な装置ですが、被曝もなく、短時間のうちに定量性の高い評価ができるというメリットがあります。

食べ物を飲み込む
健康なときには何の苦もなく食べ物を飲み込めますが、お年寄りや脳卒中の患者様では飲み込む機能に障害がみられます。右写真のように食べ物が気管に入ると、むせて苦しい思いをしたり、時には肺炎で亡くなることもあります。歯学部では食べ物を口に入れてから飲み込むまでを最新の設備を使って総合的に研究し、写真のように上手に飲み込めない患者様の訓練や治療を行っています。

食べるための脳の仕組み
食べるためには脳のどの部位が重要なのでしょうか?頭の外から脳を磁気で刺激し(左図)、食べるための筋肉の反応を調べるための研究が進められています。「食べる」ことへの脳の関わりが詳しく調べられています。

超音波で心の揺らぎを科学する
ストレス社会と言われる現在、ストレスに起因していると思われる様々な病態が注目されています。誰しも経験されたことがあると思いますが、緊張による口の渇きもその一つです。唾液は血液から作られますので、超音波診断法を使って唾液腺内の血流の変化を評価したところ、ストレス等による自律神経異常が定量的に評価できることが示唆されました。新潟大学歯学部ではこの結果を利用して、ストレスの新たな評価法やドライマウスの新たな診断法の確立を目指しています。右写真は超音波診断を行っているところです。

元素分布を目で見る
電子線マイクロアナライザーは、電子線を試料に照射し、非常に狭い領域にどのような元素が存在するかを分析する装置です(左図)。金属材料、無機・有機材料、生体生物試料を問わず、物質構造の分析には不可欠の装置です。この装置に高速マッピング装置が附属しており、原子の濃度分布がカラーで表示されます。右2枚は、塵肺患者の肺組織切片を分析したもので、中図は形態を示す白黒写真で、右図は珪素の濃度分布をカラーで表示した結果です。

口の中の細菌
むし歯や歯槽膿漏は一種の細菌感染です。口の中にはさまざまな細菌がいますが、これらの病気の原因となる細菌については分からない点が多くありました。嫌気グローブボックスは酸素を嫌う細菌を培養する装置で、これを使うことにより口の中の細菌が、酸素を必要とする細菌より酸素を嫌う細菌の方が圧倒的に多いことが分かってきました。

