取り組み

このページの目次
問題発見・解決型学習の環境整備
特色GP講演会報告
教材作成 その1
教材作成 その2
参加型FDの記録 授業・実習のお悩み解決! 「ティーチング・ティップス」

問題発見・解決型学習の環境整備

新潟大学歯学部歯学科では、問題発見・解決能力の育成に向けた教育課程を構築しており、5年次にPBLチュートリアルを実施しています。平成19年度より電子黒板を導入し、学習環境の改善を行いました。

グループ学習において、シナリオからの問題点の抽出や仮説の設定、討論のまとめなどに利用しています。黒板に記載した内容は、大型スキャナーにて読み取り、付属のプリンターで印刷可能なため、学生からは自習時の資料として役に立つとの意見が多く寄せられています。


※写真中の加藤節子さんは仮名であり実在いたしません。

特色GP講演会報告

平成20年1月21日(月)、新潟大学歯学部講堂においてミシガン大学歯学部・教授Stephen E. Feinberg先生(写真1)による「Challenges and Opportunities in Dental Education and Research at the University of Michigan School of Dentistry」と題した特色GP講演会を開催した。


写真1:講師のミシガン大学Feinberg教授

本講演会は、平成18年度・特色ある教育支援プログラムに採択された「学生主体の三位一体新歯学教育課程」事業推進の一環として、先進的に歯学教育改革を実践してきたミシガン大学歯学部における歯学教育の現況について最新の知見を得ることを目的に行われた。参加者は、医歯学総合研究科、歯学部および医歯学総合病院歯科系所属の教職員、大学院生など約90名であった(写真2)。


写真2:熱心に耳を傾ける参加者

講演では、

  • ミシガン大学歯学部の沿革と現状
  • 公立(州立)大学が直面する問題
  • 指導者養成プログラムの紹介
  • 顎顔面領域の先端研究

について述べられた。

ミシガン大学歯学部は1875年に創設され、全米の歯学部の中では2番目に古く、歴史と伝統を有し、創設以来、教育、臨床、研究と常にトップランナーとして歯学領域に多大な影響を与えている。2006年現在、歯学科の学生数は426名で、そのうち215名が女性、211名が男性と男女比はほぼ1:1、2006年の入学者数は110名で競争率は約20倍とのことであった。新潟大学と比較してみると、学生総数は異なるものの男女比はほぼ同じで、日米両国において女性の進出が目覚ましい領域の一つであることを窺わせた。授業料は州内居住者と州外居住者とで異なり、前者が年間15,000ドル、後者が2倍の30,000ドルで、州立大学とは言えかなり高額との印象を受けた。常勤の教員数は132名、非常勤の教員が268名で、常勤職員の割合は約30%であるが、NIHからの研究補助金獲得総額は全米にある歯学部の中で第2位を誇っているとのことで、教育、臨床とともに研究成果も十分にあげていた。講演を聞いて、テーマを絞り込んで研究を進めることが必要で、同時にまた、適正に評価していくことが継続的に高いレベルの研究成果の創出につながるものと感じた。

歯学部が直面する問題としては、教員の給与水準が低いことによる大学教員の供給不足、歯学教育経費の増大、施設整備費の停滞、学生の多様化(経済的格差)と教育に係る負債の増大などを挙げ、日本の国立大学法人で見られる問題と多くが類似していた。このような状況下でも、ミシガン大学は定期的に戦略的評価を行って理知的に歯学部の方向性を定めるとともに、方策の優先順位を見極めながら弱点の克服と長所の強化を図っている。

また、新しい教育プログラムとして指導者養成プログラムの提供を開始していた。このプログラムでは、優れた能力と高い学習意欲を有する学生を募り、リーダーシップの養成に焦点を当てた大胆なコースを設置し、学内、学外ならびに国際的な協力体制の確立を図ろうとするものであった。コースの内容は、リーダーシップの概念や実践について2日間の集中講義を行ったり、歯学科最初の3年間に週末のワークショップを開催したりしている。さらに、3年次、4年次においては“Capstone experience”と称する、指導者としての技能および歯科医としての技能を駆使し、自らの興味に応じた研究、臨床あるいは教育などの問題を解決するためのチームへの参画を経験させているとのことであった。ただし、本プログラムの有用性については、このプラグラムで学んだ学生が卒業後どのように活躍するか、すなわち成果の評価を行った後に是非が明らかになるであろうとのことであった。

最後のパートでは、顎顔面領域での競争的研究資金獲得額が全米歯学部の中で1位であることを紹介し、組織工学的あるいは遺伝子工学的な研究を臨床に還元する試みが多数なされていることを強調していた。すなわち、組織工学を応用した骨の再生、口腔粘膜の再生と臨床応用、遺伝子工学を利用した血管形成阻害による腫瘍治療などが紹介された。さらに、遺伝子治療による増骨作用を利用したインプラント治療への応用についても紹介され、基礎系分野と臨床系分野との連携が効果的になされているとの印象を受けた。講演終了後は会場から5つほど質問が出され、活発な質疑が行われた。

今回の講演会は、特色GPの推進、特に、指導者の養成も視野に入れたプログラムの開発、あるいは実践している教育の評価法の妥当性、さらには基礎研究の効率的臨床応用などについて考える上できわめて意義あるものであった。最後に、前田歯学部長からFeinberg教授に感謝状が贈呈された(写真3)。


写真3:前田歯学部長から感謝状贈呈

教材作成 その1

歯学スタディ・スキルズの教科書を作りました

新潟大学歯学部では、初年次教育の一環として大学学習法「歯学スタディ・スキルズ」を開講し、教えられる受け身の学習から自ら学ぶ態度への転換を図り、自発的主体性をもった学習を行うために必要な基本的能力を学生に身につけさせています。特に、問題発見・解決能力、生涯学習能力を主眼として、情報リテラシー、図書館の利用法、文献検索、レポート作成の原理・原則と技術の修得、プレゼンテーション能力を育成しています。

今回、この「歯学スタディ・スキルズ」の教科書を作成しました(写真)。教科書は、全14章、130頁からなり、カラー図表を多用して、初学者にも興味をもって読んでもらえるように工夫しました。学生の学習が少しでも促進することを期待して、平成20年度入学者からこの教科書を配布し、授業の予習・復習に活用してもらう予定です。

教材作成 その2

技術教育における自学自習のためのDVDビデオを作りました

歯学教育の特徴の一つとして、技術教育の占める割合が高いことがあげられます。技術は文章を読み、図を見ただけで獲得されるものではなく、技術の基盤となる知識を理解したうえで、実際に見て、自分でやって、はじめて身につくものです。これまでは、授業の最初にデモンストレーションを行い、その後、模型実習を行っていましたが、多数の学生を対象としたデモンストレーションでは、全員に細かい作業を示すことは難しく、また学生にとっては、一度、見逃してしまうと、あとで学習する機会はほとんどないのが実状でした。さらに、復習するにしても、要点をメモしたノートを頼りに、デモンストレーションを思い出してみるのが精一杯であったことでしょう。

そこで今回、技術教育における学生の自発的主体性をもった学習を支援するために、各分野の教員と協力してコンテンツの検討を進め、実習内容の映像とその要点を説明したDVDビデオを作りました(写真)。平成19年度は、「歯内療法実習」、「レジン修復実習」、「インレー実習」、「カービング実習」、「セファロトレース実習」など、全11巻のビデオを作成しました。これらのビデオは授業のデモンストレーションに活用されるとともに、歯学部ホームページから、リアルプレーヤー形式でストリーミングにより視聴できるようにしています(教員・学生限定)。なお、引き続き、平成20年度もDVDビデオの充実を図る予定です。

参加型FDの記録 授業・実習のお悩み解決! 「ティーチング・ティップス」

はじめに

平成14年に発足した歯学部FD委員会は、口腔生命科学系列(医歯学総合研究科・歯学部・医歯学総合病院)所属教員が教育者として使命を果たすための自己能力向上に資するべく、平成15年度より各種教員研修(Faculty Development; FD)を企画、開催してきました。FDはおもに講演会形式を中心として行われてきましたが、内容に応じてワークショップ(WS)形式や実習形式も取り入れながら、教員の教育能力の向上ならびに最適な教育環境実現のための情報交換の場を提供するよう努めてきました。

平成15年度からこれまで、20回を超える講演会形式のFD、原則全教員を対象としたカリキュラムプランニングに関する6回のFDWS、e-Learningに関する実習形式のFDをそれぞれ実施してきました。FD開催後は参加者に対して毎回アンケート調査を行い、次のFDを企画する際の参考としてきました。アンケート項目の中で、「開催してほしいFDはどのようなものですか?」に対する回答をみると「能動的な形でかつ実践的な形のFD」、「授業や実習の改善、充実に寄与するFD」「学生のモチベーションを向上させるのに役立つFD」などが多く見受けられました。

一方、FDの方向性として、FDの開始当初からFDの実践が定着してくるに従い全員を対象とした講演会形式から少人数を対象としたより実践的WSに移行し、さらに、少人数を対象とし能動的かつスキルアップを目的とした形式へと向かう場合が多いとされています。歯学部FDも開始してから5年以上が経過し、言わば黎明期から発展期にあること、また、教員の要望にできるだけ沿ったものにしたいと考えた結果、参加希望者を対象とした身近なテーマでかつ能動的な形式で開催するのが望ましいとの結論に至りました。そこで今回、先駆的にFDに取り組んでこられた愛媛大学にあって、中心的な役割を果たしてこられた愛媛大学・学生支援機構教育企画室・佐藤浩章先生のアドヴァイスをいただき、「授業・実習のお悩み解決!〜歯学部版ティーチング・ティップスを作ろう〜」と題した参加型FDを開催いたしました。

開催にあたっては、まず全教員に対して開催内容を連絡し参加希望の有無を調査しました。その結果、55名の方から参加希望のご返事をいただきました。続いて参加希望者には、(1)あなたから見て、新潟大学歯学部の学生の特徴(良い点・悪い点)を挙げるとすれば何ですか?(2)授業・実習をする上で困っていること、苦労していること、さらに改善したいと考えていることは何ですか?(3)授業・実習をする上で、学生の学習意欲・学力を高めるために自分なりに工夫をしていることは何ですか?の3項目について自由記載形式でアンケートをとりました。アンケート結果をもとに、FD当日に行うグループディスカッションのテーマを、テーマ1:実習を効果的に実施するには? テーマ2:講義を効果的に実施するには? テーマ3:学生の自学自習を促すには?の3つに設定して実施することとしました。

当日は、参加者54名(1名都合により欠席)を5名〜6名から成る10のグループに分け、テーマ1と3をそれぞれ3グループ、テーマ2を4グループとし、事前アンケートの結果を参照しながらそれぞれのテーマに対するQ &A(疑問点と解決策)をプロダクトとして作成した後、ポスターセッションを行って参加者間で意見交換を行いました。

今回の参加型FDでは、平日の日常業務が終了する夕方のごく限られた時間の中で作業を行っていただいたため、事後アンケート結果でも示されているように、十分な議論を行うには時間が短すぎたと考えられます。当初は、WSで得られたプロダクトを整理し「歯学部版ティーチング・ティップス」を作成して皆様方に配布する予定としていましたが、今回はティップス集ではなくFDの記録としてまとめ配布させていただくこととしました。短時間の作業であったとはいえ、教育の現場にいる先生方の悩みとその改善策についての貴重なご意見が含まれていますので、日々の教育で直面する問題を解決する際の参考資料としていただければ幸いです。今後、この経験と今回のプロダクトをもとに、さらに小グループ(ワーキング)で討議を重ね「歯学部版ティーチング・ティップス」を完成させられればと考えています。本記録の最後「まとめに代えて」の部分では、佐藤先生から今回の参加型FDの講評のみならず、歯学部として必要と考えられるFDならびにFDの方向性について広い視点からご指摘をいただいています。

今回積極的にFDに参加され、きわめて限られた時間の中で活発かつ効率的に作業し、プロダクトをまとめていただいた参加教員の皆様方に対し敬意を表しますとともに、本企画を遂行するにあたって指導をしていただいた佐藤先生ならびに本冊子の作成にご協力いただいたFD委員会委員の先生方にこの場をお借りして厚くお礼を申し上げます。

平成20年7月
歯学部FD委員会委員長
齋藤 功

特色GP事業との関連

平成19年度における特色GP事業の一環として、平成20年3月17日に愛媛大学・学生支援機構教育企画室・佐藤浩章先生をお招きし、参加希望教員を対象とした参加型FDを開催した。本FDは「授業・実習のお悩み解決!〜歯学部版ティーチング・ティップスを作ろう〜」と題して行われた。より効果的な授業および実習を提供するための教員のスキルアップに有用と考え、FD記録(冊子体)作成しホームページに掲載することとした。

1.開催日時・会場および参加者

日時:
平成20年3月17日(月)17:00〜19:00
会場:
歯学部大会議室、小会議室、特別会議室1, 2
参加者:
54名
スタッフ:
特別講師1名、ディレクター1名、顧問1名、タスクフォース8名
教育スタッフ研修会参加スタッフ
  氏名 所属 等
特別講師 佐藤浩章 先生 愛媛大学・学生支援機構教育企画室・准教授
ディレクター 齋藤 功 FD委員長 歯科矯正学分野・教授
顧問 魚島勝美 FD前委員長 歯科総合診療部・部長(教授)
タスクフォース 小野和宏 FD副委員長 口腔衛生支援学講座・教授
興地隆史 う蝕学分野・教授
山村健介 口腔生理学分野・准教授
藤井規孝 歯科総合診療部・講師
井上 誠 摂食嚥下・リハビリテーション学分野・准教授
松山順子 小児歯科学分野・助教
田中 礼 顎顔面放射線学分野・助教
安島久雄 顎顔面口腔外科学分野・助教

2.討議テーマとグループ分け(敬称略)

(1) 実習を効果的に実施するには?:18名(6名×3グループ)

  • (1)−A:河野承子、◎久保田健彦、鈴木 昭、田口裕哉、田中みか子、渡邉清志
  • (1)−B:伊藤加代子、岡田直人、◎高田佳之、三富智恵、両角俊哉、山本幸司
  • (1)−C:伊藤晴江、柴田佐都子、竹山雅規、飛田 滋、豊里 晃、◎山崎和久

(2) 講義を効果的に実施するには?:20名(5名×4グループ)

  • (2)−A:五十嵐敦子、井上佳世子、黒瀬雅之、小林正治、◎田口 洋
  • (2)−B:石川裕子、依田浩子、◎大島勇人、金谷 貢、渡邊直子
  • (2)−C:大島邦子、大瀧祥子、奥田一博、ステガロユ・ロクサーナ、◎八木 稔
  • (2)−D:大内章嗣、佐藤直子、佐野富子、◎中島貴子、西山秀昌

(3) 学生の自学自習を促すには?:16名(6名×1グループ、5名×2グループ)

  • (3)−A:◎小林哲夫、櫻井直樹、島田靖子、韓 臨麟、福井忠雄、宮崎秀夫
  • (3)−B:北村絵里子、◎黒川孝一、児玉泰光、斎藤美紀子、吉江弘正
  • (3)−C:梶井友佳、杉田典子、鈴木啓展、富塚 健、◎林 孝文

◎:グループのリーダーを示す

3.当日のスケジュール

内容 時間 担当
趣旨説明(大会議室) 17:00〜17:05 齋藤 功
作業説明(大会議室) 17:05〜17:20 佐藤先生
テーマ別グループワーク(大会議室、小会議室、特別会議室1,2)
グループごとに移動 17:20〜17:25  
グループワーク 17:25〜18:25 各グループ
大会議室に移動 18:25〜18:30  
ポスターセッション 18:30〜18:45 各グループ
まとめ 18:45〜19:00 佐藤先生
終了 19:00  

4.趣旨説明

5.プロダクト

  1. 実習を効果的に実施するには?
    (PDFファイル:209KB。※別ウィンドウで開かれます。)
  2. 講義を効果的に実施するには?
    (PDFファイル:190KB。※別ウィンドウで開かれます。)
  3. 学生の自学自習を促すには?(3班の内容を整理して掲載)
    (PDFファイル:171KB。※別ウィンドウで開かれます。)

6.事後アンケート結果
(PDFファイル:216KB。※別ウィンドウで開かれます)

7.まとめに代えて

愛媛大学学生支援機構・教育企画室
佐藤浩章

(1)テーマの設定経緯

私は、FDの依頼を受けた際には、個別大学様のニーズ把握を十分に行っておりますが、今回も齋藤先生から、これまで歯学部様が実施されてきたFD活動を教えていただきました。歯学部様は平成18年度の特色GPが象徴するように、非常に熱心にFDに取組んでこられました。一方、「黎明期から発展期」に移行する時期に来ており、新たな研修形態を模索されていることもわかりました。

そのため、(1)研修内容がどれだけ定着しているのか(歯学部教員の組織知の確認)、(2)今後のFDニーズ把握を目的に、「授業・実習のお悩み解決!〜歯学部版ティーチング・ティップスを作ろう!」ワークショップを開催することとなりました。

「事後アンケート」を見てわかるように、今回は私の研修設計ミスで、参加者の皆さまにはご迷惑をおかけいたしました。ここにお詫び申し上げます(参加者に一定の満足感を感じていただくには、もう1時間必要でした)。しかしながら、上記目標については一定の成果が出たと思います。

(2)歯学部教員の組織知の確認

「プロダクト」を見ると、多くのティーチング・ティップスが歯学部内に存在していることがわかります。これは市販されているものとは異なる、まさに日々の教育実践に根拠を持つ「歯学部版」のものです。さらに丁寧にティップスを収集し、使いやすく整理して、組織内で共有することで(テキスト、ポスター、DVD教材等)、歯学部全体の教育の質向上につなげることができると思います。

(3)今後のFDニーズ

「プロダクト」部分であげられたティップスと「事後アンケート」で今後のニーズとしてあげられたものを整理すると、下記のようなFDが今後開催されることが望ましいと思われます。

a 到達度チェック項目リスト作成ワークショップ

自学自習を促すために、あるいは学生の到達度のばらつきを削減するために、到達度チェックリストを作成する。担当科目毎にルーブリック評価シートを作成するワークショップを行う。

b 教材作成法ワークショップ

効果的なテキスト・配布物の作成方法、動画教材作成法(プレミア等を使った本格的なものから、WEBカメラとパワーポイントで作成する簡単なものまで)などが想定される。とりわけ後者のニーズは高い。使い方を学び、簡単なものを作成するだけでなく、集中して2、3日の教材作成ワークショップ(午前中に作成方法を学び、午後に各自作成、翌日に相互にチェックする等)で、一気に教材を大量に作り上げてしまうことも可能である。

c DP(ディプロマポリシー),CP(カリキュラムポリシー),AP(アドミッションポリシー)の設定と一貫性構築ワークショップ

学部構成員全員が集まり、シラバスにおける到達目標と、学部の目標とがどの程度、リンクしているのかをチェックシートを使いながら埋めていく。全員が集まらなくても、事前に全員に課題をこなしてもらい、複数の責任者が確認することもできる。

d 発問法トレーニングセミナー

一方的にならない授業にするために、オープンクエスチョン/クローズドクエスチョンなど発問法の種類やコツを学ぶセミナー。マイクロティーチングを入れ込み、各自が実践する機会を作ると効果的である。

e コーチングセミナー

学生、研修医に対して行うコーチングのセミナー。シミュレーションをして双方に指摘しあってもよいが、実際の指導場面をお互いに見せ合い、指摘しあうことで、その場で教育をすることができる(On the Job Training)。コーチングマニュアルを作成するワークショップを開催してもよい。

f 学習動機の高め方セミナー

心理学等を基盤とした動機理論とテクニックを学ぶセミナー。授業デザイン方法、話法、教室管理技法(クラスルームコントロール)等が含まれる。(4)とあわせて、講義法の応用編として、継続的に開講しても良い。

また新規FDのみならず、これまで実施されてきたFDを整理して、歯学部内でFDの体系図を作成されることをお勧めいたします。体系図があると、毎年実施するもの、隔年で実施するもの、一度実施すればよいものなどを区別できます。また、段階を追って受講することができ、「どこまでやればいいのか」という不安を解消できるといったメリットがあります。これは、FDに取組み始めて間もない大学様には助言できないことですが、これまで実績のある歯学部様にこそ求められるものだと思います。

これについては、本学がファカルティ・ディベロッパー向けの研修を開催しておりますので、そちらにご参加いただければと思います。

今後もFDに継続的、組織的に取り組んでいただき、引き続き、日本の大学歯学教育を牽引する拠点校としてご活躍されることを祈念しております。

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