概要

新歯学教育課程の全体像は下図に示すとおりであるが、歯科医師に求められる知識(認知領域)、技能(精神運動領域)、態度(情意領域)をそれぞれ関連づけて、効果的・一体的に習得することを目指しており、以下の4点を特徴としている。

新潟大学歯学部の新教育課程の全体像
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新歯学教育課程の特徴

POINT 1新歯学教育課程の特徴大学学習法(歯学スタディスキルズ)の実施―新教育課程への円滑な導入

新教育課程の基盤となる大学学習法を全学共通の教養教育科目内での基本科目として位置づけ、1年次前期に歯学スタディスキルズとして開講し、自己学習能力、生涯学習能力、問題発見解決型能力の開発を目標に、コンピューターリテラシー、情報検索、レポート作成やプレゼンテーション能力の育成を行っている。

POINT 2ステップアップ式の問題発見解決型学習法の展開
(認知領域)

学生主導による問題発見解決型学習を目指し、医学教育に比べ歯学教育では導入が遅れているPBL(Problem Based Learning)―チュートリアルを積極的に導入している。その際、5年次における基礎歯学・臨床歯学を統合したPBL(顎顔面診断治療学)に向けて、各年次でステップアップ方式の問題発見解決型学習法を展開している。


学生主導のセミナーの開催

統合的PBLチュートリアル(顎顔面診断治療学)

POINT 3旧来の科目の枠を廃した統合型模型実習の導入
(精神運動領域)

臨床現場や学生の思考過程に基づいた統合的な実習が可能となるように、新たに実習用模型を開発し、5年次にこれを用いて総合模型実習を実施している。従来の保存修復処置、補綴処置(ブリッジおよび床義歯)などの科目別模型実習の内容を、実際の臨床に結び付けて理解させることを目的として、ここでは患者の口腔をシミュレートした模型に対して治療方針を学生自身が立案し、実習を進行させていく。

なお、総合模型実習は2005年度日本歯科医学教育学会長賞を受賞している。

教員中心の科目別から一口腔単位としての模型実習へ

POINT 4早期からの体験・思考型臨床実習などの実施
(情意領域)

現在、多くの医学部・歯学部でEarly exposureとしての早期臨床実習が行われているが、本学では、1・2年次に行う早期臨床実習として、「患者役実習」、「患者付き添い実習」、「外部福祉施設での体験実習」などの単なる見学実習に留まらない、学生中心の体験・思考型実習を取り入れており、将来の歯科医師として求められる基本的態度(情意領域)を理解した上で、その後の専門教育に臨むようにしている。


模擬患者(学生)への歯科保健指導実習

介護体験実習(車イスの移乗補助)

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