概要

プログラムの目的(背景・ねらい)

近年、学位の国際的通用性を担保するため、課程制大学院のあり方が問われ、様々な国家的な施策が実施されるとともに、各大学院では設置目的、人材育成目的に沿った教育課程の編制を行うことで大学院教育の実質化を目指しています。大学院医歯学総合研究科口腔生命科学専攻では学際的教育の推進のために、大学院学生を教員個人主導であった分野所属型から専攻で推進しているプロジェクトに所属することで、大学院教育の実質化を進めています。しかしながら、この取組は歯科臨床を目指す大学院生を対象にしたプログラムであり、教員・研究者を目指すコースに関しては未だ整備されていません。本事業では、本専攻が推進している再生工学的教育、国際口腔保健教育に焦点をあて、国内外で整備の遅れている再生医療に貢献できる人材育成と国際機関や国内機関の保健医療専門家の育成を目指したプログラムを開発・実施します。

プログラムの概要

本事業を展開する国際口腔保健医療教育研究センターを設置し、本事業の実施責任体制を確立します。

口腔生命科学専攻の教育課程に、「再生医療/臨床研究人育成コース」と「国際口腔保健医療人育成コース」を開設します。これら教育コースを設置するために、共通基礎科目、コースワーク科目、選択科目、エクスターン科目のカリキュラム開発を行います。

第1期評価結果(研究)

I.研究水準

  • 研究活動の状況 期待される水準を上回る
  • 研究成果の状況 期待される水準を上回る

II.質の向上度

  • 大きく改善、向上しているまたは、高い質(水準)を維持している

大学院医歯学総合研究科口腔生命科学専攻4大研究プロジェクト

  • 摂食嚥下機構とその障害に関する口腔形態・機能・治療法の研究
  • 口腔機能の維持・回復に向けた顎顔面・口腔の常態、病態および再建に関する研究
  • 歯科再生工学、QOL向上を目指す先端歯科医療に結びつく探索型研究
  • 口腔保健医療プロモーション研究

現代の口腔保健医療の問題点

  • 日本人の国際性を担保する能力の欠如
  • 再生医療の研究管理指導、臨床試験運営を行う人的資源の不足
  • 再生医学の知識・技術・倫理観に精通した人材の不足
  • 国内・国際機関の口腔保健医療専門家の不足
  • 日本に対するリーダーシップへの期待

カリキュラム開発を含む教育体制の未整備

対応策

口腔保健医療に対応した国際イニシアティブ人材育成プログラム

再生医療を実現するトランスレーショナルリサーチを実践できる人材」ならびに「国際的に通用する人材」の育成を行うために、既存教育研究基盤ならびに海外ネットワークを活用したプログラムを開発・展開

第2期中期目標・中期計画 新潟大学アクションプラン

期待される効果

  • 先導的役割を果たす人材育成
  • 大学院教育・研究の高度化
  • トランスレーショナルリサーチ(新医療開発)
  • 国際的イニシアティブ、国際貢献

方略

  • 国際口腔保健医療教育研究センターの設置による管理・運営
  • 2つの教育コースの設置(人材育成目標の明確化)
  • コースワークプログラムの開発と実践
  • 国際コミュニケーション能力の向上
  • 海外エクスターンプログラムの実践

これまでの教育改善の実績と海外交流活動

実施体制

大学院医歯学総合研究科に設置する国際口腔保健医療教育研究センター教員に加え、歯学部・医歯学総合研究科(口腔生命科学専攻、口腔生命福祉学専攻)所属教員、医歯学総合病院所属教員が兼担教員として参加します。なお、国際口腔保健医療教育研究センターにはプログラムマネージャー教員(特任)を配置し、カリキュラム開発、センター運営を行います。

また、既存の海外協力ネットワークを充実させ、国外の協力機関として、米国・ミシガン大学、台湾・陽明大学を再生医療/臨床研究人教育・研究ネットワークに参加させ、WHO本部や米国ミシガン大学をはじめ英国ニューキャッスル大学、ロンドン大学、ニュージーランド・オタゴ大学などを国際口腔保健医療人育成コースの国外協力機関とします。なお、国内協力機関として、国立保健医療科学院、新潟医療福祉大学と連携します。

センター組織図

国際口腔保健医療教育研究センター

センター長

審議(運営委員会)
  • 現代の国際口腔保健医療ニーズに対応した人材育成
  • 既存教育研究基盤および海外ネットワークを活用したプログラム開発・推進
再生医療・臨床研究人育成コース
  • 専任教員
  • プロジェクト実施担当教員
国際口腔保健医療人育成コース
  • 専任教員
  • プロジェクト実施担当教員
  • 再生医療・臨床研究人育成コースに関すること
  • 国際口腔保健医療人育成コースに関すること
  • カリキュラム開発
  • 国際コミュニケーション能力の向上
  • 海外エクスターンプログラムの実施

期待される効果

本事業により、口腔保健医療教育の進展が図られるとともに、本取組の成果および養成した人材を学部教育、大学院教育等に活用する体制を整備することにより、学部教育、大学院教育、教員の資質向上が相互に関連した教育基盤の実質化が図られます。また、歯科発の再生医療を展開することにより、国民のQOLの向上を図ることで、国民の口腔保健に貢献するとともに、アジア地域での口腔保健活動の更なる展開をはじめ、WHO等との連携による国際口腔保健推進体制の整備・拡充に寄与すると考えられます。

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