実施事業

実施報告

International Symposium on Oral Health Education and Research

所属
大学院歯学部総合研究科う蝕学分野2年
氏名
大墨 竜也

シンポジウムの参加者は日本から徳島大学と新潟大学、インドネシアからはインドネシア大学、ガジャマダ大学、メキシコから招致された先生やタイから参加者もあった。

昨年のバリ島でのシンポジウムにも参加したが、この南国でのシンポジウムは開放的な雰囲気とともにゆったりとした時間の流れる会であった。

当分野に若手研究者招聘プログラムにて今年9月来日していたインドネシア大学のPhd.Anggraeni Afdhalとの研究打ち合わせを行った。シンポジウムでもEffect of anti-streptococcus mutans IgY gel on streptococcus mutans colonization in ratsと題して口頭発表を行っていた。ラットの口腔内でIgYのゲルを定期的に作用させるとミュータンス菌の定着が阻害されるというものであり、ラット口腔内ではIgY抗体がう蝕予防に効果があるという報告であった。これはまだ動物実験段階でゲルを塗布する回数が頻回であること、ヒトの口腔内での応用を考えると、数百種に上る口腔内常在菌が存在する中でどれほどの効果があるかという点が問題点になると思われた。

1日目の夜には、ホテル内のレストランにてBanquetが開催され、インドネシア大学、ガジャマダ大学、コンケン大学からの海外の研究者や学生らと交流を深めた。

2日目、Secondary adhesion of Streptococcus mutans to disinfected biofilm structure と題した自身のポスター発表を行った。我々の研究グループにより洗口剤等により殺菌されてもバイオフィルムの構造が残存してしまうことがわかっており、今回はその残存したバイオフィルム構造に新たな細菌の付着が起こりやすいという内容である。興味を持ってもらえた研究者からの質問もあり、共焦点レーザー顕微鏡による3次元構築画像はインパクトもあったようだった。自分と同じ分野の研究発表が少なかったことは残念であったが、このシンポジウムには他分野の同期の大学院生も参加しており同じ大学にいても普段は知る機会がなかなかないそれぞれの研究テーマを見れる良い機会にもなった。

このシンポジウムに先立ち、交換留学を行った学生らが留学先の大学での学生教育の違いを各々の視点から発表しており、実際に話を聞いてみると国際交流を通じて歯科医師としてだけではなく、海外に通用するような研究者としての姿をイメージするきっかけとなり、英語力の必要性を実感したとのことだった。自分自身もこういった国を超えて同世代の研究者と出会う機会は貴重であり、もし再びこのような機会に恵まれるならもっと多くのアジア圏外からの参加者とも交流できればと期待している。

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