実施事業

実施報告

The 4th UW/KKU/TU International Workshop on Clinical Research Methods in Oral Health に参加して

所属
大学院医歯学総合研究科予防歯科学分野4年
氏名
牧野 由佳

2012年2月20日-24日 タイ チェンマイにおけます The 4th UW/KKU/TU International Workshop on Clinical Research Methods in Oral Health に参加する好機に恵まれましたのでご報告申し上げます。

本ワークショップの目的は臨床研究を実施する際に必要な最低限の知識の獲得であり、今回で4回目の開催となります。ワークショップでは午前中に①Evidence based dentistry②生物統計学③倫理問題④行動研究 について経験豊富な講師陣より授業を受け、午後は得た知識を実践に活かすためグループワークを行い研究計画を立案し、最終日にプレゼンテーションを行いました。

私はちょうどこのワークショップに参加する前に自身の研究計画を立てておりその過程で①研究計画の立て方、特に実際に必要なサンプルサイズの計算方法②第三国で研究を行う際の倫理審査申請方法等 様々な疑問が生じておりました。本ワークショップを受け自分の疑問点が解決されましたし、今後研究計画を立てるうえで非常に有意義な情報を得ることができました。また最近歯周病と妊産婦に関する論文を読む機会があったのですが、論文によって結果が異なっており、どの結果を信頼すべきか悩んでおりました。今回Evidence based dentistryの講義でワシントン大学のProf. Hujoelが『80%の研究結果は間違っている。20%の合っているものを見つけるのは非常に難しい』と話されており、少し衝撃を受けました。ただし研究の信頼性の判断材料として level of evidenceがあることを知り、今後論文を読む際にはこの点を注意しなればと実感いたしました。

今回のワークショップにはアジア11ケ国からの参加者があり、参加者のバックグラウンドは口腔外科、う蝕、歯周病、補綴、放射線、麻酔、公衆衛生等と様々でした。私の専門は公衆衛生なので統計解析を利用することが他科と比較し多いはずにもかかわらず、統計に関してすらも講義内容がわからないことが多く、隣の席にいらした補綴科出身のタイ人の先生に色々と質問させていただき、講義全体の6割程度をなんとか理解できた感じです。さらにグループワークを通して自分の知識ならびにディスカッション能力のなさをひしひしと感じ、知識のブラッシュアップならび得た知識をどのようにアウトプットすべきかを習得しなければ、日本ならびに世界の研究者とは対等に渡りあうことは非常に難しいと痛感いたしました。

ワークショップ自体は反省することばかりで少し辛かったのですが、夜はナイトマーケットやチェンマイ料理を満喫し、さらにワークショップ中には得られなかった情報交換を参加者同士でできたりと非常に充実した時間を過ごすことができました。

今回このような機会を与えてくださった新潟大学歯学部、ワシントン大学、コンケン大学、タマサート大学ならびにFogarty International Center, the US National Institutes of Health (NIH/NIDCR) には非常に感謝しております。ありがとうございました。

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