各論「可撤性口腔内装置による治療 」

新潟大学歯学部第1補綴科 小林 博

閉塞型睡眠時無呼吸症候群に対する非侵襲的な治療の第一選択枝はCPAPであるが,装着に対する違和感と,高価であるという理由で,口腔内に何らかの可撤性の装置を入れて治療する方法が試みられている.原理的には口呼吸を防ぐ目的の装置と舌根の沈下・気道の狭窄を防ぐ目的の装置に分類される.後者の中でも,睡眠時に下顎位を前方に移動させて固定する装置は有効で,軽症の場合には,患者の負担が小さく可逆的な治療であるという意味で有用な選択枝である.新潟大学 歯学部歯科補綴学第一講座では口腔外科からの依頼により睡眠時無呼吸症候群の治療の一環として下顎前方移動装置を製作し,治療に供した.この装置は矯正用の Herbst 装置を利用したもので,特徴として前方移動量の調節が容易であることと,下顎の側方運動前方運動に対して可動があることがあげられる.開口を弾性ゴムバンドにて制約する上下分離型の口腔内装置である.ここではその結果と問題点について供覧する.

略歴

昭和53年3月 東京大学理学部卒業
昭和59年3月 東京医科歯科大学歯学部卒業
昭和59年4月 東京医科歯科大学歯学部第2補綴科専攻生
昭和60年4月 東京医科歯科大学歯学部第2補綴科医員
平成 2年4月 新潟大学歯学部第1補綴科助手
平成 3年4月 新潟大学歯学部附属病院第1補綴科講師
平成10年2月 新潟大学歯学部第1補綴科助教授

歯学博士
日本歯科補綴学会認定医


  1. 睡眠時無呼吸症候群とその問題点:佐藤誠(新潟大学第二内科)
  2. 新潟大学「いびき外来」の現況と診断技術河野正己(新潟大学第一口腔外科)
  3. 可撤性口腔内装置による治療:小林 博(新潟大学第一補綴)
  4. 外科的治療河野正己(新潟大学第一口腔外科)

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