一臨床一
気管内に吸引されたブリッジの2例
横林 敏夫，清水 武，五島 秀樹，加納 浩之
長野赤十字病院口腔外科
（主任： 横林敏夫部長）
抄録： 歯科に関連した歯科用補綴物，歯科用器具などの誤嚥は時々みられるが，これらの多くは消化管に入り，気道内に入ることは比較的稀である。今回，私達は，歯科開業医においてブリッジ撤去中にブリッジを誤嚥し，気管内に吸引された2例についてその概要を報告した。
症例1は，72歳，男性で，某歯科において6543｜ブリッジを撤去中誤嚥。直後に咳嗽発作があり，胸部単純X線写真でブリッジが左側気管支に金属物体の陰影が確認された。
症例2は，89歳，男性で，某歯科において｜4567ブリッジ撤去中誤嚥。咳嗽発作等の自覚症状はなかったが，胸部単純X線写真で右側気管支に陰影が確認された。2例とも，即日，気管支鏡直視下に異物摘出術を行ったが，術中，術後の合併症等は認めなかった。
目次へ