平成15年度 新潟歯学会 第1回例会

日時 平成15年7月12日(土)  9時より
場所 新潟大学歯学部第3講義室

プログラム

一般口演 9:00-11:40
休憩 11:40-13:00
教授就任講演 13:00-14:30

「歯髄修復機構の解明から歯の再生研究への展開」
新潟大学大学院医歯学総合研究科 口腔生命科学専攻
学顔面再建学講座 硬組織形態学分野 大島勇人 教授


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プログラム

座長:新垣 晋,山村健介

1.9:00
実験的筋への痛み刺激が顎反射に及ぼす影響
○黒瀬雅之1、山村健介1、井上誠1、野口真紀子2、Sajjiv Ariyasinghe1、山田好秋1
新潟大学大学院医歯学総合研究科 顎顔面機能学分野1
新潟大学大学院医歯学総合研究科 小児口腔科学分野2

2.9:10
発話刺激の変化に対する幼児の発話応答時間
○前新直志*,山田好秋*,寺尾恵美子**
*新潟大学大学院医歯学総合研究科 顎顔面機能学分野
**新潟大学大学院医歯学総合研究科 顎顔面口腔外科学分野

3.9:20
Effects of sensory inputs on the extrinsic tongue muscle activity during cortically evoked rhythmic jaw movements
○Sajjiv Ariyasinghe, Makoto Inoue, Yohji Harasawa, Kensuke Yamamura, Masayuki Kurose and Yoshiaki Yamada
Division of Oral Physiology, Niigata University Graduate School of Medical and Dental Sciences

4.9:30
口腔外科手術患者の周術期心理状態と身体愁訴に関する心身医学的研究
○田中裕,村松芳幸,染矢源治
新潟大学大学院医歯学総合研究科口腔生命科学専攻顎顔面再建学講座 歯科侵襲管理学分野、新潟大学医学部保健学科

座長:森田修一、山崎和久

5.9:40
歯周炎患者におけるFc?レセプター遺伝子多型の解析
○金子 進1、小林哲夫1, 2、山本幸司1、杉田典子1、吉江弘正1
新潟大学大学院医歯学総合研究科 摂食環境制御学講座
歯周診断・再建学分野1
新潟大学歯学部附属病院 総合診療部2

6.9:50
慢性歯周炎罹患者の重症度とTNFレセプター2型遺伝子多型の関連性について
○島田靖子1)、田井秀明1)、遠藤基広1)、小松康高1)、小林哲夫1)、2)、山崎和久1)、吉江弘正1)
1)新潟大学大学院 医歯学総合研究科 摂食環境制御学講座 歯周診断・再建学分野
2)新潟大学歯学部附属病院 総合診療部

7.10:00
禁煙によるヒト歯肉微小循環ならびに好中球mRNA発現の変化
両角俊哉、久保田健彦、佐藤 匡、板垣真奈美、杉田典子、奥田一博、吉江弘正
新潟大学大学院 医歯学総合研究科 摂食環境制御学講座 歯周診断・再建学分野

8.10:10
Three dimensional evaluation of mid-facial development in unilateral cleft lip and palate
○ C.E.Gramaticescu1, K.Terada2, K.Ishii3, N.Watanabe1, K.Ono4,S.Morita1 and K.Hanada1
1Div. of Orthodontics, 2Polyclinic Intensive Oral Care Unit, 3Ishii Orthodontic Clinic, 4Div. of Oral and Maxillofacial Surgery, Niigata University Graduate School of Medical and Dental Sciences

座長:江尻貞一、橋本明彦

9.10:20
軟骨細胞においてFGFR3はJAK/STAT系を介してPTH/PTHrP受容体発現抑制を行う
○関 雪絵1,2)、網塚憲生2)、永田昌毅1)、織田公光3)、高木律男 1)、 前田健康2)
新潟大学大学院医歯学総合研究科 口腔健康科学講座 顎顔面口腔外科学分野1) 摂食環境制御学講座 顎顔面解剖学分野2) 顎顔面再建学講座 硬組織病態生化学分野3)

10.10:30
骨折の初期治癒過程における組織化学的検討
○李 敏啓1,2)網塚憲生1) 竹内亀一1) 高木律男2) 前田健康1)
新潟大学大学院医歯学総合研究科 顎顔面解剖学1) 顎顔面口腔外科学2)

11.10:40
ラット上顎骨における吸収性膜を用いたGBR法の組織学的観察
○田口裕哉1,2,網塚憲生2,中舘正芳1,2,大西英夫1,藤井規孝1, 野村修一1,前田健康2
新潟大学大学院医歯学総合研究科 口腔健康科学講座 加齢・高齢者歯科学分野1
新潟大学大学院医歯学総合研究科 摂食環境制御学講座 顎顔面解剖学分野2
座長:天谷吉宏、西山秀昌

12.10:50
突然変異型アルカリホスファターゼD289Vの細胞生物学的解析
○石田陽子1、河野正司1、小丸圭一2、伊藤将広2、天谷吉宏2、織田公光2
1新潟大学大学院 医歯学総合研究科 顎顔面再建学講座 摂食機能再建学
2新潟大学大学院 医歯学総合研究科 顎顔面再建学講座 硬組織病態生化学

13.11:00
突然変異型アルカリホスファターゼ(1559delT)の細胞内での動態
○小丸圭一1、石田陽子2、河野正司2、天谷吉宏1、織田公光1
1新潟大学大学院 医歯学総合研究科 顎顔面再建学講座 硬組織病態生化学
2新潟大学大学院 医歯学総合研究科 顎顔面再建学講座 摂食機能再建学

14.11:10
primary Sjogren’s syndrome 患者唾液中におけるMMP-2,9おけるTIMP-1,2量
○浅妻 真澄  渡部 守  五十嵐 敦子  野村 修一*
新潟大学大学院医歯学総合研究科 摂食環境制御学講座
摂食・嚥下障害学分野 *加齢・高齢者歯科学分野

15.11:20
嚥下造影検査における被曝線量の測定
○長浜航永1,豊里 晃2,竹内由一3,植田耕一郎2,林 孝文4,野村修一5
新潟大学医学部保健学科放射線技術科学専攻1
新潟大大学院医歯学総合研究科 摂食・嚥下障害学分野2
顎顔面放射線学分野4 加齢・高齢者歯科学分野5
新潟大学歯学部附属病院・放射線室3

16.11:30
過去24年間における当科口内法撮影による患者被曝線量の推移
○竹内 由一、長濱 航永*、林 孝文**
新潟大学歯学部附属病院・放射線室
*新潟大学医学部保健学科・放射線技術科学専攻
**新潟大学大学院医歯学総合研究科・顎顔面放射線学分野

休憩 11:40-13:00

教授就任講演 13:00-14:30

座長  宮崎秀夫 副会頭

演題 歯髄修復機構の解明から歯の再生研究への展開
講師 新潟大学大学院医歯学総合研究科 口腔生命科学専攻 顎顔面再建学講座 硬組織形態学分野
大島勇人 教授

生物のもつ最も生命らしい現象の一つに再生がある.我々のからだは,外傷や切断などの物理的損傷に対しての治癒能力を備えており,その傷を受けた場所に応じて修復し,元通りに再生する.この様な再生現象において,細胞が作り出されるかなめの部分には組織幹細胞が存在する.歯科領域においても再生現象が知られており,窩洞形成や移植・再植等の歯の損傷に対して,歯髄は再生能力を有している.しかしながら,歯髄組織再生に必要な組織幹細胞の存在は臨床経験的に推察されているものの科学的には解明されていないのが現状であり,再生の場が大きく失われると再生が期待できない場合が多い.最近,NIHのShiの研究グループにより,ヒトの智歯や脱落乳歯から歯髄幹細胞を同定したという報告が相次ぎ,歯髄の再生医療は手の届きそうな段階まできたかの印象を受ける.本講演ではまず,これまで我々が明らかにした研究データを基盤に,歯の損傷後の歯髄再生過程における抗原提示細胞とストレス蛋白の役割について紹介する.
ストレス蛋白heat shock protein (Hsp) とは,生物が高温などのストレスにさらされた時に一時的に合成が誘発される蛋白質で,ストレスによる損傷からの防御と修復に関与するが,炎症反応を活性化することも知られている.この様なストレス蛋白のうち低分子量のHsp25が象牙芽細胞に高濃度に発現している.窩洞形成・歯牙再植後の歯髄再生過程においても,再生象牙芽細胞がHsp25発現を獲得することが明らかになっており,歯髄間葉細胞の象牙芽細胞への最終分化にストレス蛋白が重要な役割を果たすとともに,変性した象牙芽細胞から漏出したストレス蛋白が免疫反応に影響を与えていることが推測された.一方,このような歯髄再生過程において,歯髄・象牙境にクラスII主要組織適合性複合体(major histocompatibility complex: MHC)分子をもつ抗原提示細胞が一過性に出現することも明らかになっている.ストレス蛋白と抗原提示細胞の相互作用が歯髄侵襲後の迅速な象牙芽細胞分化に一役を担っているのかもしれない.歯髄の再生過程は,上皮組織が存在しない環境下で,象牙質を含む細胞外基質,免疫担当細胞の遊走,象牙芽細胞の変性という3つの側面から現象を捉える必要がある.講演の最後に,組織幹細胞を用いた歯髄再生研究の問題点ならびに展望について述べ,今後の我々の研究の展開についても述べてみたい.

大島 勇人(おおしま はやと)略歴
1961年 東京都に生まれる
1987年 新潟大学歯学部卒業
1991年 新潟大学大学院歯学研究科修了(歯学博士)
1992年 新潟大学歯学部 助手(口腔解剖学第二講座)
1997年 新潟大学歯学部 講師(口腔解剖学第二講座)
文部省在外研究員(ヘルシンキ大学 バイオテクノロジー研究所 発生生物学分野)
1998年 新潟大学歯学部 助教授(口腔解剖学第二講座)
2001年 新潟大学大学院医歯学総合研究科 助教授(顎顔面解剖学分野)
2002年 新潟大学大学院医歯学総合研究科 教授(硬組織形態学分野)〜現在に至る