在宅療養でのの問題点口腔ケアの現状|おいしく安全に食べるために|介護認定審査会の現状

 

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2.施設介護と在宅介護の違い

 施設で暮らす利用者にとって何よりの楽しみは食事である 気の合う利用者同士がテーブルを囲んで、会話を楽しみながら食事をとることによって、人間関係ができ、喜びにつながる。食べることは、生きていくうえでもっとも基本的なことであるが、単に栄養をとるだけでなく、味もよく、見た目も彩りや盛り付けにも食欲をそそるものにしている。食べることによって、楽しさ、うるおい、生きる意欲をもたらし、季節にあったものは、季節の移り変わりを感じ、郷土料理は若き日々を思い出す機会となる。
 口腔ケアの意義は、虫歯・歯周病などの口腔疾患の予防と、摂食・嚥下機能障害へのリハビリテーションが考えられるが、そられを改善することは、利用者のQOLの向上、食べることを支援することであり、介護職としてはまず口の中を見ることから第一歩が始まる。
 介護保険施設においては、看護師、介護職が中心となって看護・介護を提供している。施設のなかでは、Dr、PT、OT、心理療法士などが常勤で配置されている施設がある。介護保険施設の中においても、目的や配置基準など異なる部分はあるが、専門職により、24時間サービスが提供されている。介護保険制度が導入され、措置から契約に移行したとはいえ、またまだ密室性が高く施設の一方的な介護に陥りやすい。食事のあり方をアセスメントする上できちんと口腔ケアが利用者のQOLにつながることをカンファレンスで話し合う必要がある。
 そして、施設介護においては終末を迎える方も多い。終末期リハビリテーションでは、口腔ケアも重要な要素である。胃瘻や経管栄養になっても誤嚥性肺炎防止の為口腔ケアは必要になり、人間の尊厳を保つためにも口腔ケアの充実が生前の表情を蘇らせることができるのではないだろうか。たとえ義歯があわなくてもきちんと保存しておくことも必要である。また、施設内では、痴呆性老人など義歯を紛失する事も多く名前を入れておくと良い。
 在宅介護では、在宅生活を希望しているお年寄りや障害者とその家族が一日も長く、穏やかに生活ができるように援助することである。在宅介護の中心は家族であり、生活のなかで生じる多様なニーズに対応し、利用者の希望や願いを確実に受け取り、実現に向けていろいろな職種が協力体制をとる。在宅介護は、24時間365日多種多様なサービスを展開する。
 家事援助はホームヘルパーの役割であるが、調理をして食事を提供するところで派遣が終了する場合が多いのではないだろうか。結果的に在宅介護の場合は基本的に口腔ケアはセルフケアになることが多く。セルフケアといっても高齢者の場合は、歯がない、面倒である。関心がないなどの理由から行われないことが多い、たとえ行われたとしてもそれが適切な手技や道具かはチェックできないことがある。訪問先で、高齢者が指で歯磨きをしている光景を見たことはないだろうか。ケアマネジャーや在宅を訪問する専門職はどんな歯ブラシを使用しているか義歯の手入れは良いのか確認をする必要がある。
 在宅サービスを提供する介護職においては、口腔疾患においては、職域の限界を見極め必要に応じて他の専門職につなげる判断力が必要になり、口腔疾患の悪化を最小限に食い止めるためにも情報を性格に伝えることの共通言語を持ち記録での伝達も必要である。また、同職種内では、綿密な情報交換や連絡調整が求められる。

 

 

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