外科的矯正治療の手術法のいろいろ




最もポピュラーな方法がSSRO法です.
下顎骨の第三大臼歯の後方部を内側と外側の2枚に割り、そして下顎が正常に咬合する位置まで下顎骨を後方にずらし、その位置で固定します。
移動距離は10mmくらいが限度です.
手術イメージアニメーション

あごの先が長く突出している場合にはその部分をさらに短くして垂直的なバランスを整えます.
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上下顎同時手術です.
上下顎の相対的な上下のずれが10mmよりも大きい場合や下顎をあまり下げたくない場合に行います.また,
上顎骨にも形態の異常があって、引っ込みすぎていたり・咬合の平面が傾いていたりする場合には上顎の修正が必要になります.
最近はこちらの方法の方が多くなりつつあります.

下顎はSSRO法,上顎はLeFort法です.

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IVRO法です.
下顎の前後的な移動量は小さい場合や正面から見て顎が曲がっている(偏位咬合)場合に行います.




上顎前突で下顎は引っ込んでいて小さい状態です.
下顎はSSRO法で前に出し,上顎はLeFort法で下げます.

さらに,あごの先(オトガイ)の部分をさらに前に出しています.
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骨格性開咬は上述の下顎前突や上顎前突と同時に起こる場合もありますので,その場合には前後的な移動が必要になります.
開咬の治療は基本的には上下の咬合平面(歯列の面)を平行にして,接触していなかった歯を接触させることです.

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下顎の偏位の手術

正面から見て下顎骨が右か左かどちらかに大きくずれている場合には咬合も左右が違った状態になっています。

これは下顎の骨の左右の長さが異なっていることによります、ですから手術法は「下顎を下げる手術」で左右の移動の量を変えてズレを修正します。

また上顎の臼歯の左右の高さが異なっていることが多く、そのような場合には上の顎の手術も必要になります.