Chief:Prof.Hiromasa Yoshie DDS,PhD
Emeritus Professor : Kohji Hara DDS,PhD

 

歯周診断再建学分野について (同門会誌 鼓動 2017より) 教授 吉江弘正 

 歯周診断・再建学分野

                  歯周診断・再建学分野教授 吉江弘正

1.はじめに
本分野は、1969年に初代小林幸男教授により歯科保存学第二講座として開設された。当時は歯内療法学と歯周病学を担当していた。その後1975年に、原耕二先生が二代教授に就任され、歯周病学、歯周治療学を中心に教育・研究・診療を担当し、24年にわたり教室体制を築いた。1999年に原耕二教授の退職後、新潟大学歯学部7期生の吉江弘正が三代教授となり、2001年の大学院重点化にともない、「歯周診断・再建学分野」と改称された。
現在、教授1名、准教授2名、講師1名、助教4名、医員3名、大学院9名、社会人大学院1名、技術補佐員1名の構成である(図1)。また、学外の歯学部内非常勤講師は8名である。さらに、本分野の同門会である新潟大学歯学部保存学第二講座同門会は1983年に設立され、現会員数は207名である。

2.教育
現在、本分野で行っている歯周病教育の具体的内容について述べる。
<4年生> 
歯周病学・歯周治療学の講義(1.5時間/回)を26回、基礎実習(3時間/回)を10回行っている。講義内容は、歯周病の基礎知識や研究成果から歯周治療学の検査・診断、歯周基本治療、歯周外科治療、修復・補綴治療、メインテナンス治療、歯周医学であり、またTerm Based Learningを2回実施している。基礎実習は、歯周検査、プラークコントロール、病態模型でのスケーリング・ルートプレーニングと歯周外科手術、病態模型での歯根・歯肉切除術とエナメルボンディングレジン固定、最後に臨床実地形式の試験も行っている。
<5年生> 
半年間の臨床予備実習(ポリクリ)は7-8名の6班毎に各科を回る体制で、講義(治療計画立案、抗菌療法)、症例分析、実習(病状説明とTBI、レーザー治療)および相互実習(歯周検査、PMTC、SRP)を行っている。また、歯科全般にわたる統合科目として、歯周病の遺伝子診断、歯周組織の再生治療、インプラントのメインテナンスなどの先進医療についても概説している。
<6年生> 
1年間に及ぶ臨床実習において、本分野では以下3通りの教育を行っている。
(1)歯科総合診療部における診療指導: 助教以上がインストラクターを務め、治療計画作成指導や、歯周領域における診療指導を行っている。
(2)歯周分散実習: 主治医である助教以上が、担当学生と共に200名に及ぶ歯周病患者のメインテナンス治療を行っている。
(3)歯周分散治療計画実習:歯周病科新患患者について、学生3-4名がグループとなり、ケースリーダー(担当指導医)の指導のもとに治療計画作成、見学、介助、可能な範囲での治療を行わせている。また、アクティブラーニングとして本分野のスタッフでの前で、症例プレセンテーションを、診断時と歯周基本治療後の2回、さらに学生間でそれぞれのケースの相互プレゼンテーションを課し、指導を行っている。
これらに加え、学生に多角的な視野を持ってもらうことを目的に、他大学の歯周病学講座の教授、基礎医学の教授、開業されている歯周病専門医による実践歯周治療学講義(3時間単位)を年2回実施している。

3.臨床  
歯周病診療は、新潟大学病院4階のブロック2,ユニットCを中心にして実施しており、1日あたり約60名の外来患者に対し診療を行っている。歯周病患者の基本治療・外科治療・修復補綴治療・メインテナンス治療を行っており、矯正・口腔外科・補綴・インプラント・診療支援部(歯科衛生部門、歯科技工部門)などの他科との共同包括治療も積極的に実施している。歯周外科の専門ユニットは2台で、1日1−2名の歯周外科手術を行っている。
歯周病診療の中で、特色ある項目として「歯周病のリスク診断」があり、先進医療として「歯周外科治療におけるバイオ・リジェネレーション法」、細胞治療として「培養骨膜シートによる歯周組織再生法」を実施している。さらに、Er/YAGレーザーによる歯石除去、殺菌治療や光線力学療法を行っている。
また臨床の目標として入局者全員に5年以内の日本歯周病学会認定医取得を必須とし、さらにその上の日本歯周病学会専門医、指導医を目指すことを指導している。現時点で、本分野出身の指導医6名、専門医4名、認定医6名が歯科外来における教育・診療にあたっている。

4.研究  
本分野では、以下の項目について実績をあげ、さらなる研究を進めている。
1)歯周病患者の遺伝子多型に関する研究:
歯周病患者血液から感受性の遺伝子変異(スニップス)を解析する研究を11997年より開始し、最近の全国多施設研究よりIgGのFc受容体と炎症性サイトカイン、MMP、ビタミンD受容体におけるリスク多型を見出している。
2)骨膜細胞シートによる歯周再生治療に関する研究:
骨膜細胞の再生能に着目し、骨膜細胞の骨形成能に関する特性を基盤研究として積み上げてきた。これらを基に、2006年より歯周炎患者を対象として厚労省ヒト幹指針と再生新法のもと、自己の骨膜細胞治療を実施し、これまで30症例を実施している。
3)歯周病とリウマチ・動脈硬化・糖尿病・早産に関する研究:
歯周医学に関する疾患であるリウマチ、動脈硬化、糖尿病、早産、骨粗鬆症、に関して、患者サンプルから、臨床指標、血清マーカーと歯周組織破壊との関連性について報告し、日本人における歯周医学のエビデンスを構築してきた。特に、リウマチの歯周炎との治療における双方向性の関係を実証した。
4)歯周病の細菌、バイオ・リスクマーカー、抗菌治療に関する研究:
歯周炎の進行、再発、重症化に関連する候補リスクマーカーを、ポケット内容物、歯肉組織、唾液、血液サンプルから解析してきた。歯周病菌や、ヘモグロビン、菌抗体価の寄与が明確となり、コラーゲン代謝に関連するMMPとアルツハイマーに関連するアミロイドの検出は有望である。さらに、アジスロマイシン抗菌薬の経口投与治療、各種レーザー治療、光線力学療法、ラクトフェリンに関して報告している。
5)動物モデルによる歯周炎感染・歯周医学に関する研究:
マウスモデルを使用して、歯周病菌感染による口腔と全身の応答について、また歯周医学の観点から継続的に研究実績を積み重ね、さらに推進している。T細胞サブセット、熱ショック蛋白、TLR、動脈硬化、脂質代謝異常、糖尿病、腸内細菌との関連について、その作用機序を明らかにしており、臨床研究への基盤に貢献している。
6)炎症と再生に関するin vitroでの研究:
細胞生物学的、分子生物学的手法を用いたin vitroでの研究を推進している。これまで、歯根膜細胞、歯肉上皮細胞、線維芽細胞、リンパ球を用いて、歯周病の病態を想定したサイトカインやそのレセプター、関連シグナル分子について解析を行い、歯周病学の発展に寄与する重要な基盤研究となっている。

最後に、歯周病学・歯周治療学を担当している本分野として、強調すべき点および求める歯科医師像は以下のとおりである。
<本分野から求める歯科医師像>

  1. 歯周病対策の社会的重要性を認識し、歯周病を減少させるために、個人ならびに集団レベルで治療・予防を実施し続ける歯科医師
  2. 歯周病学を通して、科学・生物学の知的好奇心を培い、研究マインドでエビデンスを基盤とした医療活動をおこなう歯科医師
  3. 歯周病の診断・再建学を基に、高度専門職業人として研鑽し、また歯科医師という職業に対して誇りを持ち続ける歯科医師

現在の教室員  

歯周診断・再建学分野・歯周病科
 
吉江 弘正 主任教授
奥田 一博 准教授 病院教授
小林 哲夫 准教授 病院教授 (歯科総合診療部)
久保田 健彦 講師 病院准教授
杉田 典子 助教 病院講師
多部田 康一 助教 病院講師
両角 俊哉 助教 病院講師
小松 康高 助教
野中 由香莉 医員
宮内 小百合 留学中
堀水 慎 医員
宮沢 春菜 医員
中島 麻由佳 休職中
島田 惇史 大学院生
松田 由実 大学院生
黒木 歩 大学院生
佐藤 圭祐 大学院生
根津 新 大学院生
保苅 崇大 大学院生
車 玉蘭 大学院生
横地 麻衣 大学院生
山田 実生 大学院生
根本 康子 社会人大学院生
大藤 泰人 学部内非常勤講師
田井 秀明 学部内非常勤講師
袖山 敬央 学部内非常勤講師
村田 雅史 学部内非常勤講師
山本 幸司 学部内非常勤講師
中島 悠 学部内非常勤講師
神谷 真菜 学部内非常勤講師
小林 美登 学部内非常勤講師
目黒 友美 技術補佐員
山崎 和久 教授 (口腔保健学講座)
前川 知樹 助教 (高度口腔機能教育研究センター)
高橋 直紀 特任助教 (高度口腔機能教育研究センター)

 


Last Update: 2017/1/11

教室員 (講堂にて) 2015 24/8 Summer

 

 

教室員 (セミナー室にて) 2014 14/7 Summer

教室員 (セミナー室にて) 2013 Summer

 

教室員 (セミナー室にて) 2012 Summer

教室員 (研修にて) 2012 Summer

 

教室員 (セミナー室にて) 2011 Summer

教室員 (セミナー室にて) 2010 Summer

平成21年度同門会がホテルイタリア軒にて開催されました。(2009/8/29)

平成19年度同門会がホテルイタリア軒にて開催されました。(2007/10/07)

平成17年度同門会がホテルイタリア軒にて開催されました。(2005/10/01)

大学院医歯学総合研究科webサーバ歯周診断・再建学分野 が公開されました。(2002/05/01)

Links to collaborating Labs.

1) 超域研究機構(歯周−全身プロジェクト):山崎和久 http://www.dent.niigata-u.ac.jp/yamazaki_labo/


2) 歯科基礎移植・再生学分野:川瀬知之・奥田一博 http://www.dent.niigata-u.ac.jp/ortr/ortr.html

第46回秋季日本歯周病学会学術大会は盛会を持って終了致しました。

皆様ありがとうございました。

歯周病診療室

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951-8514 新潟市学校町通2-5274
新潟大学大学院医歯学総合研究科 口腔生命科学専攻
摂食環境制御学講座 歯周診断・再建学分野 (旧 歯科保存学第二講座)

Division of Periodontology, Department of Oral Biological Science,(Course for Oral Life Science),
Niigata University Graduate school of Medical and Dental Sciences,Gakko-cho 2-5274,Niigata 951-8514,JAPAN

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