海外レポート・・・英国・ブリストル大学、3ケ月滞在記
口腔細菌学講座 佐 藤 拓 一

 昨年は、星野教授にご尽力いただき、文部省科学研究費補助金(国際学術研究)で英国へ1〜2月、10〜11月の2回、合計約3ヶ月間、出張することができました。
 ブリストルは、ロンドンから西に180Km位のところにあり、海沿いで、人口約50万人という、新潟と大変似ている都市です。成田からノン・ストップ(12 hrs)で、ロンドン・ヒースロー空港へ、そこからは直接ブリストルに高速バスで2hrsです。滞在は大学の宿泊施設のビジター用の部屋で、バス・トイレ+寝室+20畳以上はある居間+台所というぜいたくなスペースで、とても快適でした。食事は朝・夕とも、五十嵐地区の生協の食堂と同じカフェテリア方式で食べられました。英国料理は巷の評判通り(若干難あり)でしたが。欧米では酒の付き合いがないと聞いていましたが、火・水・金曜日のアフター・ファイブは、ラボのスタッフ(皆30歳以下と若い)とパブのことが多かったです。土・日曜日も、みんな、気を遣ってくれて、必ず、何かに誘ってくれました(映画、ドライブ、パブ・ランチ、夕食、冬の花火見物、洞窟探検ー佐渡金山に、東京ディズニーランドのシンデレラ城の探検コースが付いたみたいなものーなどなど)。もし長期間、この調子だと、疲れて身体を壊してしまったのではと思うほどです。英国は学会発表等で経験があり、今回で4回目および5回目でしたので、落ち着いて実験することができました。
 ブリストル大・歯・口腔細菌では、日本の主任教授に相当するReaderのDr.Wadeのラボで実験しました。本当に実験だけに集中でき快適でした。ラボの雰囲気も良く、皆、大変親切にしてくれて (英国人は紳士の国らしく誰に対しても、親切らしいですが・・・・)、充実していました。テーマは、口腔細菌の16S rRNAのPCR-RFLP分析およびsequencingでした。ラボでは、分かりやすくしゃべってくれましたが、ティー&ランチ・タイムでは、急に早口になるのには文字通り閉口しました。大学の規模・施設的には新潟大学と同じ位で、歯学部の施設も同様の規模です。スタッフ数は、全体で50人程、と言っていましたから、ここの歯学部の半分位でしょうか。口腔細菌のラボのスタッフは、8人いました。
 ブリストル大・歯・口腔細菌とは科研費(国際学術)を使って、共同研究をしていますが、この共同研究は、1992年4月に、口腔細菌の1つであるEubacterium属細菌についての論文交換をし、続いて同年9月、大阪でのペリオの国際学会の折に、Dr.Wadeが新潟でセミナーをしたことがきっかけでスタートしました。Eubacterium属細菌について研究している所は、世界でもそう多くないため、新潟来訪はDr.Wadeの強い希望で実現した訳です。
 ブリストル大学についての詳細は、筆者 (tak@dent.niigata-u.ac.jp) まで、お気軽にどうぞ。


(写真の説明)

(左)ブリストル大学歯学部附属病院前にて、筆者。

(右)日本式に言えば、江戸時代初期に建てられたブリストル最古のPub(現在も営業中)の前で、筆者、Dr William G. Wade、Miss Alison J. Elworthy。2人とも昨秋、新潟大学歯学部にお越しいただきました。ちなみに、筆者が特に背が低いのではなく、彼らが、2m00cm、1m85cmと特に長身なのです!


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