メーリングリストって何?


第一口腔外科  鈴 木 一 郎 (suzuki@dent.niigata-u.ac.jp)
 電子メールの利点の一つは、同時に多くの相手に同じ内容のメールを送る機能をもつ ことである。普通の手紙でこれをやろうとすると、同じ内容の手紙をその数だけ繰り返 して書かねばならない。文面はコピーという手もあるが、宛名書きはどうやっても人数 分だけ書かなければならない。電話ならばよくある「非常連絡通信網」のような伝言リ レーを使えばもう少し手間は省けるが、末端の情報は信頼性に乏しい。さて、これが電 子メールだと宛名を書く欄に複数の宛名をずらーっとならべるだけですんでしまう。Fax でも同報機能というのを使えば同じようなことができるが、電子メールの場合はさらに 便利な使い方がある。宛名を複数まとめて一つのリストを作る。そしてこのリストに適 当な名前をつけて、その名前宛てにメールを投函すると、リストに掲載された全員にメ ールが配送される。メールを受け取った誰かがこれに対して返事を書けばこれまた全員 に配送される。これがメーリングリスト(以下MLと略)である。これはグループ間での連 絡にも使えるし、あるいは議論をおこなうための会議室のような使い方もできる。しか も人数や距離を問わない。全国規模でも世界規模でも10人でも1000人でも手間は変わら ない。本学部でも、教室内の連絡、事務連絡(昨年後半に試行された電子メールによる事 務連絡システムもMLである)など学内に閉じたものから全国規模のものまで30近くのMLが 運営されているので、ここで現在歯学部内で運営されている主なMLを紹介しておきたい 。紹介記事は各MLを主催している方にまとめていただいたものを私が要約した。なお、 ML名の後のカッコ内に、管理者のアドレスを記載したのでお問い合わせはそれぞれのア ドレスにメールしていただきたい。また、WWWサーバ上にインフォメーションがあるMLに ついてはそのURLも併記した。


●nettalk ML(nettalk-request@dent.niigata-u.ac.jp)
84名(学内69、他学部7、学外8)
 歯学部で最初に作られたMLである。キャンパスネットワーク(NINES)がスタートしたの は94年の5月であるが、最初の数ヶ月はまさに混乱そのものであった。ネットワークへの 接続法や、ネットワーク上のアプリケーションの利用法に関する質問が毎日のように繰 り返された。こうしたFAQ(frequentry asked questions)を全員で共有し、また電子メー ルの利用に慣れるという目的で、94年9月初旬にnettalk MLは開始した。当初8人で始ま ったこのMLはその後歯学部内にとどまらず、他学部や学外の参加者も得て、現在は80名 ほどになっている。このMLへの投稿数はこれまでに1000を超えるが、過去のログを読み 返してみると実に雑多な話題が満載された楽しいMLである。ネットワーク黎明期にこの MLが果たした役割は大きいものと思うが、当初のような混乱もなくなり、またこのMLの 掲示板的は役割はニュースサーバ(news.dent.niigata-u.ac.jp)にとってかわった今、 nettalkは性格のあいまいなMLとなっている。今後は皆さんの意見をお聞きして、ニュ ースシステムとの併合なども考慮したいと思っている。(鈴木一郎)
●niigata-dent ML(niigata-dent-request@dent.niigata-u.ac.jp)
58名(学内31、学外27)

 新潟大学歯学部を中心とした、大学の教官と病院勤務や開業の歯科医師を対象とし、 広く歯科医療一般について情報や意見を交換するためのMLである。同窓会との共同プロ ジェクトとして95年の1月に開始した。現在までの投稿数は約600通で、時にホットな議 論が沸騰するアクティブなMLである。(鈴木一郎)
●microbiology ML(mircobiology-request@dent.niigata-u. ac.jp)
49名(学内1、学外48)

 微生物学、特に、医学・歯学に関連する細菌学に関する話題、ちょっとした実験手技 のことなどを、気軽に、日本語で質問・討論できるようなMLを目指して、昨年の9月に 実質的な運用を開始しました。メール数は、1ケ月約10通程度と、比較的、静かなML、 というか、まだまだ、という状況です。 話題の傾向としては、今までのところ、学会・ 研究会の案内、ポストの公募案内の転送が主で、今後、より学術的な情報交換・議論に 発展する話題提供があれば、と願っています。(佐藤拓一)
●顎機能 ML(gaku-request@dent.niigata-u.ac.jp) 43名(学内10、学外33)

 顎機能学会では、新潟大学歯学部歯科補綴学第一講座前教授(現名誉教授)石岡先生 が中心になって学会関連者を軸として、全国ネット化による顎口腔機能診断データベー ス作成に関った経緯があります。データベース作成自体は、学会とは別の活動ではあり ましたが、学会関連者が大部分関与したため、学会自体もネットワーク利用に違和感が なく、活動にネットワーク利用を積極的に利用したいという動きがあります。演題募集 等を電子mailで送付する主催校もあり、活動の場をうまく作る事が出来れば、顎機能の 研究活動自体にも良い刺激になりそうな状況でした。そこで、このMLを作ってみました 。商用ネットワークアドレスでの参加もあり、活発な発言が期待されたのですが、現在 は投稿はそれ程ありません。管理者(私)が不精であまり書かないせいもあるのでしょ うが、内容をよいものにしようとして偉い先生に参加をお願いしすぎたのかもしれませ ん。参加者が、うっかりしたことは書けないと固くなって発言しにくくなっているので はないかと反省しています。しかし、参加をお願いした先生方は初学者の素朴な疑問に も親切的確に回答を下さりそうな先生方ばかりなので皆さん上手に利用なさってくださ ればと思っています。このMLは、学会の連絡にも使用するかもしれませんが、特に学会 加盟者に限ったわけではありませんので自由にご参加ご発言ください。 (小林 博)
●tmd ML
(tmd-request@dent.niigata-u.ac.jp) 15名(学内15)

 新潟大学歯学部附属病院で月に1回開催される顎関節症作業部会を中心として顎関節 症に興味のある歯学部附属病院の歯科医師が参加しています。MLでは、顎関節症作業部 会に提出される症例の紹介ならびに顎関節症作業部会に提出された症例や日常臨床で診 療している顎関節症の患者さんの治療などに関する議論を行っています。議論は顎関節 症作業部会の話題が中心ですが、学外からも顎関節症に興味のある先生の参加をお待ち しております。また、顎関節症作業部会に提示された症例が閲覧できるWWWサーバが現在 製作中です。(山田一尋)
●ortho-japan ML(ortho-japan-request@dent.niigata-u.ac. jp)
72名(学内8、学外64)

 議論の内容 日本全国からから矯正に関心のある歯科医師が参加しています。話題は 矯正治療の内容、矯正材料、矯正に関する講演会や学会などの情報、コンピュータの話 題、その他雑談的な話題です。メール数は95/3月開始で現在266通です。(山田一尋)
●バイオメカニカルトーキング ML(biomechtalk@ dent.niigata-u.ac.jp)
27名(学内2、学外27)

 近年、バイオエンジニアリングが注目され、シンポジウムや関連学会が発足し始めて います。この分野は工学と医学の双方の高度な知識が必要ですが、未だにそれぞれが一 方の分野に偏った研究をしているのが現状です。そこで、双方の真の協力躍進を図るべ く、具体的内容の自由な情報交換の場としてMLの設置を考えました。バイオエンジニア リング分野ではテーマが広いため、構造力学に的を絞り、主に有限要素法(FEM)を利用 したバイオメカニクスにたずさわる若き研究者のMLとしました。実際に研究中の若き研 究者が疑問、相談、グチ、心境、その他いろいろを上下関係なく素直にお互いにブツケ あい、当分野の研究の躍進を図るものです。医学部整形、工学部生体工学の大学院生や 自動車、造船、航空機関系の設計者、またFEMソフト開発者などの参加を得ています。実 験方法や結果の考察に関することから、骨組織の力学刺激に対する動態やFEM基礎理論ま で、多岐にわたって具体的内容が議論されています。(佐藤孝弘)
●josda ML (josda-request@dent.niigata-u.ac.jp)
42名(学内17、学外25)

 これは口腔外科と歯科麻酔に関する臨床や研究に関する情報交換を行うためのMLであ る。全国の歯学部口腔外科、歯科麻酔科、医学部口腔外科に所属する歯科医師が中心で あるが他の所属の方や開業の先生がたにも参加いただいている。(鈴木一郎)
●dentex-info ML
(dentex-query@dent.niigata-u.ac.jp http://www.dent.niigata-u.ac.jp/dentex/)
約500名

 95年3月に全国の歯学研究者のアドレスブックを作成するプロジェクトを新谷(東歯大) 、川崎(長崎大)、鈴木(新潟大)の3名ではじめたが、同年5月よりこのアドレスブックの 登録者間のMLを立ち上げた。歯科関係のMLで参加者が500人というものは世界的にみても ごくまれと思うが、参加者の所属が多岐にわたり、「歯学」というだけのくくりである ためか、焦点の定まらないMLであることは否めない。しかし、本MLから派生的に特定分 野のMLが立ち上げられた例もあり、アドレスブックとともに、歯学研究者間の交流のた めのインフラとして機能するMLであればと願っている。(鈴木一郎)
●助手会メーリングリスト(予定)

 助手会でもMLの立ち上げが正式に決まった。登録者はアドレスを持つ助手会会員全員 を登録者とした他、医員、特別研究員、研修医、大学院生、研究生についても希望者の 加入を認めた。今後は、助手層を中心に各講座間の活発な意見交換・情報交換が行われ る事が期待される。(大島勇人)
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