2年間を振り返って

永井麻衣子

2年前の4月,私たちは不安な気持ちを抱え入学式を迎えた.そこには想像もつかなかった2年間が待ちかまえていた.
今まであまり関わりのなかった歯科の講義が始まり,1年の最初に始まった実習カービング,見本と大きさも形態もそっくりに彫刻する.この実習にしてこの学年の仲間はぐっと人数を減らしていった.そして先輩や先生からはこれから先はもっとずっと大変だと聞かされたり,一人暮らしを始めた人たちがホームシックにかかるなど,とにかくこの先不安でいっぱいの2年間がスタートした.それから次々と実習が進んでいったけれど提出日に間に合わせることができなかった.2年生になると臨床実習が始まるため,提出日が遅れる訳にはいかなかったが,相変わらずの手の遅さに渇を入れられ,追い立てられるような日々だった.しかしようやく2年も中盤を迎えた頃全体が見えてきて,それまでは大変だと聞かされていて,大変としか思えなかった技工も少しは自分の感覚でとらえることができるようになったと思う.2年間はとても短かったけれど,この2年間は技工のことだけでなく,社会の厳しさから,様々なことを学んだ2年間だった.そして私たちにこの濃密な指導をしてくれた先生方にはとても感謝している.今までは指導によって自分の力を最大限に引き出してもらっていたが,これからは自分一人でその力をどこまで出せるかが勝負になると思う.この2年間で学んだことを忘れず,これからがんばっていこうと思う.


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