原 耕二教授 最終講義を終えて

歯科保存学第二講座  吉江弘正

原 耕二教授の最終講義が、平成11年2月19日午後3時より、有壬記念館2階大会議室においておこなわれ、皆様のご協力により盛会裡に終えることができました。最終講義の開催につきましては、新潟大学歯学部歯科保存学第二講座同門会が母体となりました退官記念事業実行委員会が中心となり、新潟大学歯学部のご協力のもと、また新潟大学歯学部同窓会のご後援により開催できましたことに対しまして、改めて厚く御礼申しあげます。また、新潟大学歯学部長の小澤英浩教授には、この最終講義の座長の労をおとりいただき、懇切丁寧な原教授のご紹介ならびに適切なまとめをしていただき、心より感謝申し上げます。

「歯周病研究38年の歩み」と題しました最終講義は、原教授が保存学第二講座で行ってきた10項目の研究プロジェクトの中から4年次学生にとって関心が高いと思われる3項目に絞ってお話しされました。はじめに、「多形核白血球の機能と歯周病の免疫応答」に関する研究でありまして、歯周炎患者の歯肉溝滲出液中の酵素、サイトカインおよび多形核白血球の機能特性、Fc レセプターの遺伝子多型についての解説でした。2番目として、「歯周病と歯周組織再生との関係」に関するもので、手術後の創傷治癒に関する成分、神経線維分布の解析、また付着の促進、歯槽骨再生を目的としたリン酸カルシウム、TGF-b の利用について紹介されました。最後の項目は、「歯周病と咬合治療」であり、歯冠の形態修復とその臨床効果、咬合音診断機器、T-Scan system 、歯根膜顎反射測定装置の臨床応用につきまして解説されました。1時間40分にわたる、詳細な研究データーをもとに、熱のこもった、迫力のあるお話であり、約200名出席していただいた聴講者全員が感銘を受けるものでありました。

その後、4年次学生、歯学部学務、保存学第二講座さらには、昭和大学歯学部歯周病学講座教授、長谷川紘司先生からの花束贈呈がありました。 最終講義終了後、午後5時より有壬記念館一階のロビー、小会議室におきまして懇親会を開催いたしましたところ、お忙しい中、新潟大学関係者、同窓会関係者が多数ご参集していただき、楽しい会となりました。会を始めるにあたり、小澤英浩学部長にご祝辞をいただき、ついで野田 忠病院長のご発声による乾杯で開宴となりました。しばらくのご歓談の後、岩久正明教授、神田正一同窓会長、安藤巖事務部長からお言葉をいただきまして、最後に、原 耕二教授より、皆様がたのご配慮に対して謝辞がありました。その後のご歓談でも、原教授を中心に、長年にわたる歯科保存学第二講座の足跡の中で、いろいろな思い出に話がはずみました。2時間もあっというまに過ぎ、退官記念事業実行委員会幹事の川崎孝一教授の閉会の辞で締めとなりました。

最後に、最終講義、懇親会にご参集していただいた先生方々、関係者の皆様および開催準備にあたってご協力いただきました方々にたいしまして、主催者を代表して心より御礼申し上げます。


目次へ戻る