中央滅菌材料室について

滅菌材料室 小林 ひろ

この度、歯学部ニュースの投稿依頼がありましたので、中央滅菌材料室について紹介いたします。通称、中央滅菌材料室はサプライと呼ばれています。場所は病院3Fの言語治療室の真向かいにあります。設備としては、全自動超音波洗浄機、ジェットウオッシャー、乾燥機が各1機、オートクレーブ滅菌機2機、エチレンオキサイドガス滅菌機3機等が設置されています。

サプライの業務は「各診療科が円滑に業務を遂行するために,使いやすく、安全な器具および材料を準備、滅菌し、各科の請求に応じて供給する診療補助機関である」と謳われています。そのためには精度の高い洗浄、滅菌機の管理と化学的生物学的インジケーターによる滅菌効果の確認、滅菌物保管室の清潔管理を確実に行っていかなければなりません。現在、勤務者は看護婦6名と滅菌機械操作者およびメッセンジャー業務を担当する外注要員の2名です。なお看護婦は中央手術室と兼務です。

近年、医療の現場では感染に対する考え方が大きく変化し「全ての人の血液及び体液に触れた物は、感染の危険性がある物」として取り扱うようになりました。サプライでは、その対策として、昨年は診療トレーをディスポーザブルに変更し、超音波洗浄機の更新時にはジェットウオッシャーを購入しました。ジェットウオッシャーは熱水で洗浄、すすぎをすることで微生物の希釈と除去効果があり、MRSAなど一般細菌のみならずB型肝炎ウィルスや結核菌などにも対応出来、効果が確実で残留毒性がなく、取り扱い者に無害であるという利点があります。

業務内容は各科共通の器具を洗浄、乾燥、点検、セット、滅菌をして、各科の請求に応じて供給しています。その他、ディスポーザブルの製品および衛生材料の供給と各診療科からの滅菌依頼物品の滅菌業務があります。サプライで取り扱う器具類の本数はミラー、セッシですと毎日500本前後です。ミラーとセッシは1本1本汚れ(レジン、セメント)と破損を点検しています。昨年、ディスポーザブルのトレーを採用して以来、各科共通器具の中央化を進め、各診療科で使用する診療セットはサプライでセットして供給しています。またジェットウオシャーが設置されてからは、サプライの機能は大きく変わりました。それまでは、各科共通の使用後の器具類は各診療科で薬液による初期消毒を行っていましたが、感染の拡大を引き起こす恐れがあるため、初期消毒を止め、使用後の器具は専用の密閉容器(コンテナボックス)に入れて搬入し、ジェットウオッシャーで洗浄をしています。

サプライの仕事は患者さん不在の物を相手とする比較的単調で、根気のいる業務が多く、院内ではいわゆる縁の下の力持ち的な職場です。毎日同じ仕事の繰り返しでマンネリになり易いのですが、歯学部病院に受診する患者さんが、サプライで取り扱う器具を使用して安全に、気持よく、診療が受けられるようスッタフ一同頑張っています。最近、無駄な在庫をなくするために定数カートによる払い出しを手術室と病室から始めました。今後は、コンピュターによる物品管理が出来ればと思っています。


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