大学院修了にあたって感謝をもって

小児歯科学教室渡邊淳一

「大学院の修了にあたって」編集部からのご依頼により、初めて歯学部ニュースに自分の原稿が掲載されることになり、このような機会を与えて頂いたことを心より感謝致します。学部在学中は、実家の両親が郵送されてくる歯学部ニュースを楽しみにしていたことを思い出し、今回の歯学部ニュースを実家の両親の下に送りたいと思い
ます。

さて、小児歯科に入局したきっかけからお話ししたいと思います。入局のきっかけは、元来の子供好きな性格と入局後の経済的保証でした。それと野田教授をはじめとする、たくさんのすばらしい先生方の存在と、また明るく楽しい教室の雰囲気が自分の体質に合っていることでした。そういう理由で4年間の大学院生活を送ることを決
意しました。入局当初は、「小児歯科はスピードが命」を掲げているだけあって、教授をはじめ、諸先生方・諸先輩方の小児に対する診療の速さと正確さには驚くばかりで、右も左も解らず、なかなか上手く診療を進めることが出来なかったことが思い出されます。また、障害児・者の歯科治療も経験し、大学病院における小児歯科診療の重要さを改めて認識することになりました。また、診断や診療方針などで困った時に、いつも暖かくときには厳しくご指導して頂きました田口先生をはじめ、諸先生方・諸先輩方に心より感謝しております。まだまだ、ままならない事、習うべきことの多さを身にしみて感じており、今後もご迷惑をおかけするかと思いますが、ご指導のほど宜しくお願い致します。

研究の面では、口腔解剖学第一講座にお世話になり、細胞生物学における形態学の素晴らしさ、奥深さを経験できました。小澤教授をはじめとする一解剖スタッフの皆様には、多大なる教えを乞うことができ、何とか研究を進め、結果を出すことができました。特に、直接ご指導頂きました網塚先生や、一緒に実験に入って色々と助けて頂きました池亀先生、泉先生、星先生、伊藤先生はじめとする諸先輩方にも心より感謝致しております。何度かの学会発表を通じて、ポスターやプレゼンテーションの作り方、写真の取り方、写真の現像の仕方、コンピューターの使い方など、大学人として最低限必要とされる事を身に付けることができました。また、学位論文の執筆に際して、小澤教授による親身なご指導を賜り、結果から如何に考察を導き出し、どういった形で論を展開するのか、科学論文の書き方を具体的に教えて頂きました。 このように、私自身、色々な人を通じて、たくさんの面でご助力・ご指導を頂き、少しは成長を遂げることができた(???)ことを今更ながら心より感謝致しております。また、経済的面で余裕をもって大学院生活を送ることができたことに、野田教授をはじめとする小児歯科学教室医局員の皆様へも心より感謝致しております。学部生の頃は、クラスで1、2位を争う再試(ビーコン)の数のため、ビコニシャンと呼ばれていた自分(院試も2回おとした)ではありますが、今後は、大学院で学んだ多くの事を活かし、これからも貪欲に色々なことを学んで生きたいと思います。そして、いつの日か、臨床、研究、教育を行い指導できるような人材となり、微力ながら新潟大学歯学部の発展のために貢献したいと思います。

当分、実家には戻らない予定でいる親不孝(バカ)な息子ですが、ただただ両親にはお詫び申し上げる次第でございます。


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