実施状況

FD講演会「学位論文作成を効果的に進めるためのWBS入門―プロセスの可視化を通して指導教員・大学院生双方の満足度を高める―」開催報告

平成22年5月21日(金)17:00~18:30、歯学部講堂において、大学院教育改革支援プログラム(大学院GP)事業の一環として、愛媛大学学生支援機構・教育企画室・副室長である佐藤浩章先生をお招きし「学位論文作成を効果的に進めるためのWBS入門―プロセスの可視化を通して指導教員・大学院生双方の満足度を高める―」と題してFD講演会が開催された。当日の参加者は、教職員、大学院生併せて99名であった。

講演では、最初に一昨年度(平成20年12月~21年1月)実施した口腔生命科学専攻所属教員および大学院生に対して行ったアンケート結果をもとに、教員、大学院生の視点から見た大学院教育の問題点と改善策を提示し、大学院生と教員が感じている本専攻における大学院教育の課題はかなりの部分で類似していたことを示された。

続いて、小講座制の解体、大学の社会的地位の変化など研究室教育を取り巻く状況の変化により研究室教育が機能低下傾向にあること、および愛媛大学大学院教育WGで行った調査結果をもとに、従来型研究室教育の利点、欠点を説明された。さらに、暗黙知を主体とした従来型徒弟制のよい点を生かしながら、欠点を補うためにコースワークを充実させるなどの対応が必要との見解を述べられた。指摘されたいくつかの問題点について本専攻では、平成20年度に採択された大学院GPにより少しずつ改善しつつあると考えられる。

最後に、愛媛大学で行った研究室マネジメント調査の概要を説明し、研究室運営にはそれぞれの分野の特徴があるが、研究指導を円滑化させるためには、所属教員と大学院生との間で研究室のルールを共有化することが必要であることを指摘された。

参加者には、講演の途中で「学位論文執筆における指導教員と学生の役割に関する認識;Role perception rating scale」を記入していただき、それをもとにスモールグループで意見交換をしていただいた。