口腔ケアの重要性とポイント口腔清掃|摂食・嚥下障害について|誤嚥性肺炎

 

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T.摂食・嚥下障害とは

2.摂食・嚥下障害の原因

 原因としては大きく3つに分けられるが、複数の原因により障害が引き起こされる。

(1)加齢に伴う摂食・嚥下機能低下

 以下にあげる機能低下により障害が起こりやすくなる
  ○う蝕や歯周病により咀嚼力が低下する
  ○口腔、咽頭、食道等の嚥下筋の筋力が低下する
  ○唾液の性状(粘性、組成等)が変化し、唾液量が減少する
  ○粘膜の知覚や味覚が低下する
  ○喉頭が下降し、嚥下反射時に喉頭挙上距離が大きくなる
  ○無症候性脳梗塞(潜在的仮性球麻痺)がみられる
  ○注意力や集中力が低下する

 

(2)疾患

 障害をきたす疾患として次のものがあげられる。

  口腔・咽頭 食道
器質的原因 舌炎  アフタ  歯周病
扁桃炎  扁桃周囲膿瘍
咽頭炎  喉頭炎  咽頭膿瘍
口腔・咽頭腫瘍(良性、悪性)
口腔咽頭部の異物
食道炎  潰瘍
ウェップ(web膜)
憩室(zenker)
狭窄  異物
腫瘍  食道裂孔ヘルニア
外からの圧迫(頸椎症、腫瘍等)
機械的原因 脳血管障害  脳腫瘍
頭部外傷  脳膿瘍
パーキンソン病
筋萎縮性側索硬化症
末梢神経炎  重症筋無力症
筋ジストロフィ  筋炎  脱水
脳幹部病変
アカラジア
筋炎
強皮症
SLE
心理的原因 神経性食欲不振症  痴呆  心身症
うつ病  うつ状態
 

(3)薬剤

  1) 中枢神経系への鎮静・抑制作用を持つ薬剤類
     精神安定剤、抗けいれん剤等
  2) 平滑筋や骨格筋機能障害を副作用として持つ薬剤
     抗コリン剤、三環系抗うつ剤 カルシウム拮抗薬等
  3) 下食道括約筋の圧を低下させる薬剤
     ドーパミン グルカゴン アトロピン等
  4) 口腔の異常運動をきたす薬剤
     抗パーキンソン薬 抗精神病薬等
  5) 口腔乾燥症を引き起こす薬剤
     三環系抗うつ剤 フェノテアジン系抗精神病薬等

 

 

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