若年者同様に高齢者でも発熱、咳、痰、胸痛、呼吸困難感が主症状となりますが、高齢者ではこのような特徴的な所見を欠くことも少なくありません。非定型的症状としては、微熱、食欲不振、脱水、呼吸数の増加、腹痛、下痢、不穏、せん妄などがあります。高齢者が何となく普段と違い元気がなくなっている時は、肺炎を考慮する必要があります。
高齢者の肺炎は呼吸不全を起こしやすく、その上で、他の重要臓器の加齢変化による予備能力の低下ならびに基礎疾患による臓器障害に肺炎による低酸素血症が加わり、容易に多臓器不全に進展します。多臓器不全は予後が悪く、致死的となることに注意する必要があります。 |