顎変形症による咬合異常の外科的矯正治療

顎骨の変形に起因する咀嚼障害や咬合異常は保険治療が適応されます.

咬合の異常別の外科手術の方法はこちらです

顎変形症とは 上顎骨または下顎骨のあるいは両方の顎骨の過成長や劣成長による変形や口唇口蓋裂などの先天異常による顎の変形により、咬合機能の異常や咀嚼機能の異常、発音の異常がある状態をいいます.
検査から診断までの流れ

検査

  • 診査
  • レントゲン撮影,CT撮影ー顎態分析、手術予測
  • 咬合模型採得、フェイスボウトランスファ、咬合器装着
  • 顎運動記録,筋電図計測
  • 口腔内・顔面写真撮影

診断

  • 口腔外科と相談の上,外科的矯正治療が適当と診断されれば最終的に手術法を決定し治療を開始します.
口腔内模型と口腔内写真

頭部側方X線規格写真やCT画像などを用いた診断

レントゲン写真上で頭蓋、顎骨,咬合の状態の形態の特徴的な点や線を抽出し,それぞれの点や線の位置関係を数値的に評価してどこに異常があるのかを見つけだします。
最近では二次元的な評価だけでなく3DCTを利用して三次元的な評価を行っています.

例)レントゲン写真を元にのいくつかの骨学的な基準点を線でつなぎます。それぞれの線のなす角度や長さを正常者データなどと比較し骨格的な異常の要素と歯の位置の異常の要素に分けます。骨格的な異常の要素が強くて、正常に比べ上顎が小さく、下顎の成長が著しく長いことが分かります。歯の位置を変えただけでは正常にかみ合わせることはできないので矯正治療だけでなく顎の大きさや位置を治す手術も必要と診断しました。

治療開始から手術

術前矯正治療期間

  • 矯正治療を1年から1年半位行ってから手術になります。(通院は月に一回)

入院・手術

  • 手術方法にもよりますが、入院は2週間から3週間です。

術後矯正治療期間

  • 仕上げをします。(1年くらい)

保定期間

  • 保定装置を使用し咬合が戻らないようにとめます。(通院は3、4ヶ月に一回)

トータルでは4年から5年くらいかかります。

保険治療について
医療控除について

この治療は歯科矯正科と口腔外科のある歯学部病院や一部の矯正専門歯科医院で治療する場合には矯正治療も保険の治療が適応になります。
手術の部分は口腔外科や形成外科などでも保険は効きます。
開業の歯科矯正専門医院のかかる場合には確認してください。費用ですが矯正と手術のトータルでだいたい150-200万くらいになりますが、全部保険ならその3割か(家族)2割(本人)が支払いになります。
もちろん、高額医療の申請をすれば医療費控除もうけられます。(要診断書)