歯科麻酔とは
意識をなくす、不動化、無痛、反射の抑制を伴い人工呼吸下で管理するのが全身麻酔で、口腔外科手術や小児、障がい者でも用いられています。
一方、覚醒水準を低下させ(ぼーとさせる)、自発呼吸はそのまま残した状態で安らかに歯科治療を受けていただくのが(精神)鎮静法です。主流は静脈に点滴をしてそこから鎮静剤をコントロールしながら入れる方法です。
歯科治療のストレスによる血圧や心拍の変動を抑えたい方、歯科治療が恐怖という方、異常咬扼反射(口の奥に物が入るとオエッとくる)の方、障がい者の一部の方などに広く用いられています。
そしてたとえば心臓などの循環器に疾患をお持ちの方などが歯科治療を受ける際に、循環動態のモニタを行い、もし急変が起きた場合の初期の処置と医科への連携を行う全身管理も歯科麻酔の受け持ちです。
このほか歯科治療でショックを起こした経験がある、多数の疾患を併せ持つ高齢者の治療など全身管理の場面は多くあります。さらに、呼吸停止や心拍停止といった緊急事態の救急救命の初期対応やそのための学生や医療関係者への教育も行っています。
口腔や顔面の感覚の異常や痛み、動きの障害を診断/治療を行うのがペインクリニックです。
当教室では神経損傷に対して世界的にも最先端の診断/治療をとっているほか、歯科心身学的なアプローチも行っている特徴を持っています。
新潟大学歯科麻酔科は、手術室での麻酔管理と以下の専門外来から成り立っています。
専門外来
- 歯科ペインクリニック外来
- 歯科心身医学外来
- 障害者・有病者歯科全身管理外来
新潟大学医歯学総合病院の歯科麻酔科ページ
http://www.nuh.niigata-u.ac.jp/department/dentistry04.php
教授ごあいさつ
教授 瀬尾憲司
歯科麻酔学分野とは安全な歯科医療を行うための総合的な科学です。すなわち歯の痛みに始まり各種の歯科治療が生体に対してどのような影響を及ぼすかなどを詳細に分析し、これらに対して安全に歯科治療を行うための方法をサイエンスとして分析・考案し、最終的に全ての人が安全に歯科治療を受けられるようになることを目指します。
したがって当科の仕事は歯の痛みの基礎的な研究、神経損傷による神経症状の分析や診断・治療法を開発することをはじめとして、さらに歯科治療を受けることが困難である方々の相談にのり、最適な治療法を考えてそれを行います。
当科は現在日本で唯一、顔面の神経を直接画像で映し出すことによって、神経の切断または損傷部位を映し出して、顔面の痛みの原因を特定できる唯一の施設です。
またさらに学外の御協力を得て三叉神経損傷や神経腫による痛みの外科的治療を行うことができる施設です。この治療には日本中からの患者さんが受診されております。
新潟市と言う場所は東京からは新幹線で、北海道、九州、大阪からでも空路で繋がっておりますので意外と便利なのです。これからもさらに多くの方々の来院にも便宜を図っていき、さらに成長していきます。
新潟大学は手術部がひとつに集約されており、現在、医学部麻酔学教室(馬場教授主宰)の御協力と御理解を得て、同じ部署で医学部と歯学部が仕事をしている、国内でも珍しい施設です。
14室ある手術室の一角を利用して、また朝カンファレンスなどに参加することにより、多くの刺激を請けながら勉強できると言う特徴があります。
多くのことを勉強するには非常にいいところであり、食事やお酒のおいしい新潟市ですので、是非一緒に臨床・勉強しませんか?
スタッフ紹介
名前 | |||
---|---|---|---|
教授 | 瀬尾 憲司 | Kenji Seo | |
准教授 | 岸本 直隆 | Naotaka Kishimoto | |
講師 | 田中 裕 | Yutaka Tanaka | |
助教 | 弦巻 立 | Tatsuru Tsurumaki | |
助教 | 倉田 行伸 | Shigenobu Kurata | |
助教 | 吉川 博之 | Hiroyuki Yoshikawa | |
助教 | 佐藤 由美子 | Yumiko Sato | |
医員 | 金丸 博子 | Hiroko Kanemaru | |
医員 | 小玉 由記 | Yuki Kodama | |
医員 | 大塚 有紀子 | Akiko Ootsuka | |
社会人大学院 | 山崎 麻衣子 | Maiko Yamazaki | |
大学院生 | 西田 洋平 | Yohei Nishida | |
大学院生 | 今井 有蔵 | Yuuzou Imai | |
大学院生 | 小山 祐平 | Yuuhei Koyama |