1.はじめに
平成20年4月に新潟大学歯学部FD委員会が主催し、新潟大学歯学部、新潟大学大学院医歯学総合研究科ならびに医歯学総合病院スタッフを対象として「教育スタッフ(SD)研修会」が開催された。
特色GP事業との関連
特色GP事業では、若手教員の育成およびPBLチュートリアル推進の観点から、教員のみならずTAあるいは事務職員を対象としたSDの実践を計画している。SDの実施にあたっては、従来教員の教育能力、教育技法発展のためのサポート体制構築にあたって中心的な役割を果たしてきたFD委員会が企画、実施を担当することとしている。
そこで、SD研修会記録に示したとおり、平成20年4月23日にPBLファシリテーターを担当するTAなどを対象としてSDを開催した。
2.開催日時・会場および参加者
- 日時
- 平成20年4月23日(水)17:00〜19:00
- 会場
- 歯学部講堂
- 参加者
- 64名
- スタッフ
- ディレクター1名、顧問1名、タスクフォース8名
- 対象者
-
以下に挙げた学部・臨床教育に携わる可能性のあるすべての大学院学生・医員・研究員・研究生・臨床研修医・レジデントなどで平成18年度開催の本研修に参加していない方
- 基礎系分野の実習に教員補助として参加する可能性のある者
- 臨床系模型実習等に教員補助として参加する可能性のある者
- ポリクリ等に教員補助として参加する可能性のある者
- 研修医の臨床指導にあたる可能性のある者
- PBLのチューターになる可能性のある者
- 大学院、歯学部および病院所属の教員
教育スタッフ研修会参加スタッフ
氏名 所属等 ディレクター 齋藤 功 教授 歯科矯正学分野 顧問 魚島 勝美 FD前委員長 摂食機能再建学分野 タスクフォース 小野 和宏 口腔衛生支援学講座 興地 隆史 う蝕学分野 山村 健介 口腔生理学分野 藤井 規孝 歯科総合診療部 井上 誠 摂食嚥下・リハビリテーション学分野 松山 順子 小児歯科学分野 田中 礼 顎顔面放射線学分野 安島 久雄 顎顔面口腔外科学分野
3.研修会の趣旨
歯学部FD委員会では、過去6回にわたって全教員を対象にしたカリキュラムプランニングに関するワークショップを実施してきた。しかし、歯学部教育の現場に出ているのは教員ばかりではなく、大学院学生、医員、研究員、研究生、臨床研修医、レジデントの方々などもその一端を担っており、教員ばかりではなく、主に教員以外で教育に携わる可能性があるスタッフを対象に、今までのFD委員会の活動を通して多くの教員が考え、学んできたことを紹介し、さらに、カリキュラムプランニングの基礎を学ぶことを目的とした。
また、「新大歯学部で行われている基礎実習の問題点」をテーマとして参加者にKJ法を実践してもらった。
4.研修会のテーマ
- テーマ
- 歯学部FD委員会活動の概要とカリキュラムプランニング
- 一般目標(GIO)
- より良い歯学教育を実践するために、教育への関心を深め、望ましい学習プログラムを立案推進する能力および指導力を身につける
- 行動目標(SBOs)
- 望ましい教育の原理ならびに指導の姿勢を説明する。
- 基礎的な臨床能力の習得に適する学習システムを示す。
- カリキュラムの構成ならびに立案の手順を説明する。
- 目標、方略ならびに評価方法の要点を述べる。
- 患者・社会のニーズに配慮した実習システムのあり方について説明する。
- 適切な臨床実習プログラムを立案する。
- 立案したカリキュラムを評価する。
- 実習生の態度・技能教育とその評価方法を企画する。
- 熱意をもって卒前臨床実習改善に取り組む。
- 学習体制改善に対する抵抗の克服を説明する。
5.研修会の日程および概要
第1部 歯学部FD委員会活動の概要
タイトル | 担当 | 時間 |
---|---|---|
内容 | ||
学部長挨拶 | 前田 | 17:00〜17:05 |
歯学部における教育の重要性 | ||
新潟大学における過去のFDWS概要 | 齋藤 | 17:05〜17:20 |
FDの目的、FD委員会の活動、SDの目的、FDWSの概要、望ましい学習活動 | ||
討論のあり方・スタイルチェック | 山村 | 17:20〜17:35 |
討論のあり方に関する解説、改善に対する抵抗と方策 | ||
KJ法と2次元展開法 | 藤井 | 17:35〜18:05 |
KJ法の紹介、2次元展開法の紹介およびKJ法の実践「基礎実習の問題点の抽出」 | ||
休憩 | 18:05〜18:10 |
第2部 カリキュラムプランニング
タイトル | 担当 | 時間 |
---|---|---|
内容 | ||
カリキュラムとは | 安島 | 18:10〜18:20 |
学習のプロセス、カリキュラムとは、カリキュラムの要素とは、カリキュラム立案 | ||
学習目標 | 井上 | 18:20〜18:30 |
教育目標の分類、RUMBA | ||
学習方略 | 田中 | 18:30〜18:45 |
学習方略、目標と資源の関係、SPICES Model、DALEの円錐 | ||
学習評価 | 松山 | 18:45〜19:00 |
学習評価とその原則、測定される知識のレベル、評価の種類、属性、評価方法 | ||
質疑応答 | 齋藤 | 19:00 |
アンケート記入 |
PBLコアタイムにおける仮説・学習課題の展開や議論内容を他のグループと情報共有するために、学生主導の症例カンファレンスを行っているところです。
1ケース終了後ごとに、学習課題の補完や発展的内容について学生主体のセミナーを行っていますが、その前の自習時間を利用して今年度試行的に採用しています。