留学生の派遣・受入

外国人留学生・教員の受け入れ

新潟大学歯学部には世界各国から最新の歯科医学を学ぶために多数の留学生が在籍しています。これら外国人留学生は五十嵐キャンパスで日本語教育を受けた後、大学院医歯学総合研究科に入学し、日夜研究に励んでいます。現在までにインドネシア・ペルー・アフガニスタン・サウジアラビア・中国・バングラディシュ・ボリヴィア・ニカラグア・チュニジアなど多数の国から留学生を受け入れてきました。また、大学院修了後、その研究成果や活動が評価され、教員として採用されて学生教育にあたっている人もいます。

歯学部の短期留学プログラム

新潟大学歯学部では、歯学部在学中の国際交流を重点的に推進しています。本学歯学部の交換留学プログラムは2011年度より、日本学生支援機構(JASSO)による留学生交流支援事業(ショートステイ/ショートビジット、略称SSSV)に採択され、多様な学生の受け入れや派遣を行っています。本事業では旅費・滞在費の一部が支給され、2011~2012年度に39名の歯学部生を外国の大学歯学部に派遣し、また40名の学生を受け入れました。派遣先はタイ、インドネシア、台湾、アメリカ、カナダ、スウェーデン等、受け入れ先はこれらに加えてインド、モロッコ、ブラジル等多岐にわたり、お互いに10日~2週間程度滞在します。派遣先ではそれぞれの国や地域の特性を活かしたさまざまな短期研修プログラムが組まれており、参加した本学歯学部生は日本とは異なる環境で貴重な経験をすることができます。また、来学した学生たちも、本学教員による英語の講義・実習を通じた学習の他、本学学生との交流、日本文化や新潟の食を楽しんでいます。若いうちに外国で学び異文化を知ることは、大きく見聞を広げる良い機会になります。新潟大学歯学部を目指す受験生のみなさんも、ぜひ、入学と同時に国際人への第一歩となるこのチャンスをつかんでください。

教員の海外研究派遣

海外での共同研究や研修のため、留学する教員も多数います。留学先は欧米各国ならびにアジア諸国と広範囲です。海外研究により本学部における教育・研究内容を広く紹介して意見交換を行い、本学部でも教育・研究の発展に反映させています。また、積極的に海外で開催される国際学会にて研究成果を発表する教員も少なくありません。

国際交流サークルNEXUSの活動

歯学部では2011年度に国際交流サークル〈NEXUS〉を立ち上げました。交換留学関連の活動を中心に、英語による研究発表会への参加など様々な活動をしています。今後は、英語力向上を目的とした英会話クラスの開催なども検討しています。クラブのように楽しみながら、国際的な感覚を身につけることを目指しています。

Blogもご覧ください

口腔保健医療に対応した国際イニシアティブ人材育成プログラム

国際機関や国内機関の保健医療専門家の育成を目指したプログラムを開発・実施しています。本プログラムについてはホームページをご参照ください。

歯学部長からのメッセージ

海外留学へのいざない

1994年、私は文部省在外研究員として、アメリカ・シアトルにあるワシントン大学医学部に留学しました。当時はまだ、日本の大学の一部でインターネット、Eメールが使えるようになったばかりであり、アメリカと新潟の連絡手段は電話、ファックスしかありませんでした。それから約20年、IT機器の進歩はめざましく、外国にいても即座に日本の情報が手に入り、またスカイプ等を利用して気軽にコミュニケーションがとれるようになりました。しかし、文明の機器がいくら発達し、便利になっても、人と人の付き合いは直に接し、異なる習慣・環境の中で暮らし、その文化を知らなければうわべだけのものになってしまいます。グローバル化が叫ばれて久しいにもかかわらず、外国に出る若い人達の数は年々少なくなっています。

危機感をいだいた政府は厳しい財政状況の中、若者達に海外交流を経験させるためにさまざまな支援を行っています。その中の一つのプログラムにショートステイ・ショートビジット事業(略してSSSV事業)があります。この事業を活用して、新潟大学歯学部では短期学生派遣、短期学生受け入れを行い、短期外国留学を経験した学生達で国際交流サークルを結成し、情報交換、外国人学生の生活支援などさまざまな活動を行っています。

この制度を活用し、第1歩を踏みだしましょう。世界の若者達が君達の来訪を待っています。硬い殻を破り、勇気をもって、世界への扉を開こう。言葉は関係ありません。言葉は後からついてきます。

チェンマイ(タイ)

ハノイ・ホーチミン(ベトナム)

ハノイ(ベトナム)

マルメ(スウェーデン)

海外の教育研究機関との交流

新潟大学歯学部は世界各国の大学と交流協定を結んでおり、教育・研究等の分野で交流をさかんに行っています。
本学部が交流協定を結んでいる大学についてはこちらをご覧ください。

学生からのメッセージ

久保田瑞穂
Mizuho Kubota
歯学部歯学科4年

初めてのSSSVを経験して

私は、2017年3月の春休み期間に、前半の1週間はスウェーデンのマルメ大学、後半の1週間はスイスのWHO研修という形で、2週間のSVプログラムに参加しました。

マルメ大学では、病棟見学と講義の参加が主な研修内容でした。マルメ大学は、問題解決型学習(PBL)を主軸として、低学年から臨床実習も行っており、新潟大学との違いに驚きました。最も印象的だったのは、勉学に対する学生の姿勢です。講義や臨床実習後のディスカッションでは、各自が自信をもって発言しており、このように活発な議論を行うためには、相当の勉強量が必要だと感じました。また、現地の学生は皆とても親切で、毎日のように郷土料理店に連れて行ってくれたり、パーティ―を開催してくれたりしました。学生との交流は語学の勉強にもなりましたし、何より国境を越えて歯学の道を志す仲間ができたことは、私にとって非常に良い刺激となりました。彼らとは、現在でも連絡を取り合っている仲です。

WHOでは、歯科と全身疾患の相関やWHOの戦略など、健康について幅広く学びました。歯科医師は、口腔だけでなく全身のことも理解する必要がありますが、その全身の健康を守るためのルール作りをしているのがWHOです。WHOでの話を聞いて、世界規模で物事を考えることの難しさや大切さを感じるとともに、難民区での歯科業務についても深く知りたいと感じました。自由日には国連見学ツアーにも参加し、まさにworldwideな毎日でした。

“Every journey begins with a first step.”これは、スイス滞在時に立ち寄った本屋さんで、たまたま目に飛び込んできた言葉です。どんな旅もまずは小さな一歩から始まります。歯科医師を目指す私たちにとって、何気なく過ごす日々や講義で学んだこと一つ一つが、「将来への一歩」であるに違いありません。そんな私たちの旅の景色をより鮮やかにしてくれる存在、それが「SSSV」だと私は強く思います。皆さんも、少しの勇気と大きな期待をもって、ぜひSSSVに参加してみてはいかがでしょうか。きっと、まだ見ぬ景色が広がっているはずです。