変化の激しい現代社会のなかで、患者の多様な価値観を受け入れ、質の高い医療を提供するために、新たな諸課題に関係者と適切に連携しながら問題解決を図っていく能力を備え、全人的医療を実践できる高い歯科臨床能力を有する人材を育成する。歯学科に修業年限以上在学し、本人材育成目標にそって設定した授業科目を履修して、基準となる単位数を修得し、下記の学習成果を有する者に、学士(歯学)の学位を授与する。
歯学教育プログラムは6年制で、おおむね第1学年から第2学年前期、第2学年後期から第3学年、第4学年から第5学年前期、第5学年後期から第6学年と、学習内容から大きく4期に分けられる。授業科目は基本的にすべて必修で、「教養」「語学」「学習法・研究法」「基礎歯学」「臨床歯学」「知識・技能の統合」「医療人」「国際人」の8つの科目群から構成される。なお、学生の興味・関心にあわせ、「学習法・研究法」には教室配属による研究科目が、「国際人」には短期海外派遣科目が選択科目として設定されている。
第1期は「主体的な学習への転換と教養の涵養」を重視する。大学学習法により学習態度の転換を図り、本プログラムを履修していくうえで必須な問題解決能力、論理的思考力、表現力を育成し、パフォーマンス評価により学習成果を評価する。また、一般教育科目を通じて、多様なものの見方にふれさせ、さまざまな文化や価値を受容し、個性を尊重する態度を涵養する。第2期は「基礎歯学の学習と歯科医師としての自覚」が中心で、基礎歯学の授業科目を講義・実習形式で開講するとともに、患者とのふれあいを通して医療人としての自覚と態度を涵養する。また、講義で得た知識を統合し、問題解決能力を育成するために、講義と並行してPBLを実施し、パフォーマンス評価により学習成果を評価する。第3期は「臨床歯学の学習と知識・技能の統合」が中心となり、臨床歯学の授業科目を講義・実習形式で開講する。それに並行して、第2期に引き続きPBLを、また新たに統合型模型・シミュレーション実習を実施し、基礎歯学を含め知識と技能を統合させ、より専門性を高めた形で問題解決能力を育成する。そして、その学習成果をパフォーマンス評価により評価する。第4期は「歯科医療の実践と自己省察」の期間で、医療系大学間共用試験実施評価機構が行う全国共用試験(CBT・OSCE)での知識・技能・態度の評価を経て、診療参加型臨床実習で患者診療を経験させ、歯科臨床能力を育成する。歯科臨床能力の評価は、継続的にポートフォリオを用いて形成的に行い、臨床実習終了時に患者診療を直接評価するパフォーマンス評価を実施する。
本プログラムでもっとも重視する学習成果である歯科臨床能力とは、歯科医療という文脈における問題解決能力と定義できる。低学年から高学年に向けて、問題解決能力から歯科臨床能力へと専門性・総合性・真正性を高めて育成し、その学習成果をプログラムの教育目標に直結する重要科目で直接評価して卒業生の質を担保する。
学科における学習に必要となる幅広い基礎学力に加え、専門分野に関連する科目に対する学習意欲と適性をもつ人を選抜する。
大学入学共通テストでは、5教科7科目の試験を課し、学科における学習に必要な幅広い基礎学力を評価する。個別学力検査では、数学、理科、外国語および面接を課し、数学、理科、外国語では歯学・歯科医療ならびに生命科学の課題に取り組む上で必要な基礎的な学力を評価し、面接では論理的思考力および表現力、態度・姿勢、学習への意欲を総合的に評価する。
学科における学習に必要となる幅広い基礎学力に加え、歯学・歯科医療に対する明確な目的意識および高い適性をもつ人を選抜する。
大学入学共通テストでは、5教科7科目を課し、学科における学習に必要な幅広い基礎学力を評価する。個別学力検査では、面接を課し、論理的思考力および表現力、態度・姿勢、学習への意欲を総合的に評価する。
学科における学習に必要となる幅広い基礎学力に加え、人物・学業ともに優れ、歯学・歯科医療に対し強い関心をもち、目的意識が明確で学習意欲旺盛な人を選抜する。
大学入学共通テストでは、5教科7科目を課し、学科における学習に必要な幅広い基礎学力を評価する。さらに、小論文および面接を課し、論理的思考力および表現力、態度・姿勢、学習への意欲を総合的に評価する。特に、小論文では論理的思考力や表現力を、面接ではそれらに加えて学習の意欲を重視する。
※上記以外に帰国子女特別入試,私費外国人留学生特別入試,2年次編入学試験を実施している。