口腔解剖学分野の川崎真依子准教授、大峡淳教授らの研究グループは、口-顔-指症候群Ⅰ型(Oral facial digital syndrome TypeⅠ)で認められる舌の形態異常や過誤腫の発症メカニズムの検索を通して、中胚葉細胞(注1)と神経堤細胞(注2)の相互作用が、舌の発生における中胚葉細胞の正しい分化や正確な細胞遊走に必須であること、一次線毛(注3)の機能によるHhシグナルが中胚葉と神経堤細胞の相互作用に関与することを明らかにしました。
本研究成果は、2024年10月11日、国際学術雑誌「eLife」に掲載されました。
(注1)中胚葉細胞
発生中の初期胚において、外胚葉と内胚葉の間を埋めるように発達した細胞群の名称。
(注2)神経堤細胞
脊椎動物の初期発生において表皮外胚葉と神経板の間に一過性に形成される細胞群の名称。
様々な細胞種に分化するため第四の胚葉とも言われる。
(注3)一次線毛
細胞表面から外側に向けて突出している1本の不動性の構造体。
研究成果発表論文
掲載誌:eLife
論文タイトル:Cell-cell interaction determine cell fate of mesoderm-derived cell in tongue development through Hh signaling
著者:Maiko Kawasaki, Katsushige Kawasaki, Finsa Tisna Sari, Takehisa Kudo, Jun Nihara, Madoka Kitamura, Takahiro Nagai, Vanessa Utama, Yoko Ishida, Fumiya Meguro, Alex Kesuma, Akira Fujita, Takayuki Nishimura, Yuan Kogure, Satoshi Maruyama, Jun-ichi Tanuma, Yoshito Kakihara, Takeyasu Maeda, Sarah Ghafoor, Roman H. Khonsari, Pierre Corre, Paul T. Sharpe, Martyn T. Cobourne, Brunella Franco, Atsushi Ohazama
doi:10.7554/eLife.85042