口腔生化学分野の照沼美穂教授らの研究グループは、血液中のアンモニア濃度が上昇すると、脳内の非神経細胞であるグリア細胞の一つ、アストロサイトでのアミロイド前駆タンパク質(APP)量が上昇し、アルツハイマー病の特徴である老人斑の主要な構成成分とされるアミロイドβ42が増加することを発見しました。
本研究成果により、新規のアルツハイマー病発症のメカニズムが提唱され、特効薬が未だにないアルツハイマー病の治療法の開発につながることが期待されます。
この研究は、米国・タフツ大学の Stephen J Moss教授と本学大学院医歯学総合研究科高度口腔機能教育研究センターの前田健康教授との共同研究で行われました。本研究成果は4月13日にJournal of Biological Chemistry誌にオンライン版で先行公開されました。
研究成果発表論文:
掲載誌: Journal of Biological Chemistry
論文タイトル: Ammonia induces amyloidogenesis in astrocytes by promoting amyloid precursor protein translocation into the endoplasmic reticulum
著者: Ayaka Komatsu, Izumi Iida, Yusuke Nasu, Genki Ito, Fumiko Harada, Sari Kishikawa, Stephen J Moss, Takeyasu Maeda, Miho Terunuma