タイ・タマサート大学の歯科医師を対象に短期受入プログラムを行いました

2023年06月27日 トピックス 国際交流

6月19日(月)~23日(金)まで,タイ・タマサート大学 高齢者歯科学分野の修士課程に在籍する10名が来学し,Clinical approaches and basic researches for super aged societyのテーマにて本学教員から,講義,実習を受けました。

 

6月19日(月)~21日(水) 各日10:00~12:15

1) 摂食嚥下機能評価実習
グループワークとして,摂食嚥下リハビリテーション学分野 辻村恭憲 准教授,那小屋公太 助教より,摂食嚥下障害患者に対するスクリーニング評価の意義と目的についての概説,嚥下内視鏡検査のデモンストレーションおよび相互実習が行われました。

 

2) 摂食嚥下リハビリテーションの臨床見学
グループワークとして,摂食嚥下機能回復部スタッフより,入院患者に対する摂食嚥下リハビリテーションについて,患者毎に病態,評価,リハビリテーション内容やその目的について説明を受けました。

 

3) 高齢者に対するう蝕治療とデンタルシミュレーターSimodont Dental TrainertⓇの体験
う蝕学分野 大倉直人 助教より,高齢者患者に対するう蝕治療の最新の知見,および歯科用顕微鏡を利用したう蝕,根管治療の実際について講義があり,またSimodontⓇを利用してう蝕治療のシミュレーションを体験しました。

 

19日(月)13:30~16:00 摂食嚥下リハビリテーションの講義

摂食嚥下リハビリテーション学分野 井上 誠 教授より,摂食嚥下リハビリテーションについて講義がありました。日本における摂食嚥下リハビリテーションの実際と,急速な高齢化が進むアジア諸国における摂食嚥下障害への対応として,歯科医師に期待される臨床や研究について説明を受けました。

 

20日(火)13:30~16:00 口腔乾燥症に関する講義と実習

口腔リハビリテーション科 伊藤加代子 病院講師より,口腔乾燥の定義と診断,ドライマウス外来における実際の評価と臨床についての講義,口腔乾燥症の評価について説明,および相互実習が行われました。

 

21日(水)13:30~15:00 歯周治療の臨床と研究

歯周診断・再建学分野 高橋直紀 准教授,高度口腔機能教育研究センター前川知樹 准教授より,歯周炎と全身疾患との関連性,骨欠損を考慮した歯周治療の臨床の勘所,歯周炎動物モデルを利用した骨免疫メカニズムとその制御を応用した最新の臨床研究について紹介されました。

 

21日(木) 10:00~12:00 口腔機能低下症の評価の実習

摂食嚥下機能回復部 真柄 仁 講師,小貫 和佳奈 助教より 口腔機能低下症のコンセプト,その評価内容や基準に関する講義があり,その後,相互に口腔機能低下の評価の実習を行いました。

 

22日(木)13:30~15:30 顎顔面補綴の臨床とデジタルデンティストリー

包括歯科補綴学分野 堀 一浩 准教授,村上和裕 助教より,顎顔面補綴に関する臨床について,顎顔面補綴を要する患者の特性,QOLを考慮した補綴物の製作のための要点についての講義があり,続いてCAD/CAMの有床義歯への応用に関する説明とCADを利用した人工歯排列の体験実習が行われました。

 

23日(金) 10:00~12:00 動物モデルを利用した疼痛,ストレスの評価

口腔生理学 岡本圭一郎 准教授,歯科総合診療部 長谷川真奈 講師より,動物モデルを利用した疼痛,ストレスの評価方法に関する講義と,実際にマウスを使用した基本的な行動学的評価の測定実習が行われ,慢性疼痛や精神疾患の病態の解明,その治療法の開発を目指した取り組みが説明されました。

 

23日(金)13:15~15:15 ヒトの咀嚼嚥下運動記録 終了式

摂食嚥下機能回復部 真柄 仁 講師より,ヒトの咀嚼嚥下運動に関する筋電図と嚥下内視鏡に関する実習,経頭蓋磁気刺激を利用した神経筋活動記録に関するデモが行われました。
最後に総括,終了式を行いました。参加者からは1週間という短い時間の中で多くの学びがあったこと,今後も両校の関係を深めるとともに,今回の経験を臨床や研究に経験を役立てたいという言葉がありました。

 

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