硬組織形態学分野

分野長  大島勇人

histoman@dent.niigata-u.ac.jp

face

教育内容

解剖学 Anatomy
口腔解剖学 Oral Anatomy
歯の解剖学 Dental Anatomy

研究内容

 歯学研究において、形態学的基盤を提供するのは解剖学教室の使命であると考え、広い視野で臨床分野および他の基礎分野との共同研究を推進すると共に、教室のコアの研究テーマを発展させ、学外との共同研究も積極的に推進していきたいと考えている。
 硬組織形態学分野の主要な研究テーマは、①歯と顎顔面頭蓋領域の形態形成機構に関する研究、②象牙質/歯髄複合体の発生と再生に関する研究、③デンタルインプラント手術時合併症のリスク評価とオッセオインテグレーションに関する研究である。当分野は形態学的研究手法を実行する環境・指導体制が整っており、歯科臨床に繋がるマウスを用いた動物実験系(窩洞形成、歯の再植・移植、歯胚移植、デンタルインプラント等)を確立している。さらに、各種遺伝子改変マウス(TetOP-GFP、オステオポンチン-KO、Nestin-GFP、K14-Cre、Wnt1-Cre、Atg7flox/flox)を所有し、研究を展開している。
 依田浩子准教授は、プロテオグリカンの仕事に加え、酵素合成グリコーゲンによる歯と骨の再生研究に着手すると共に、器官発生過程における細胞内グリコーゲン蓄積過程に着目し、歯と顎顔面頭蓋領域の発生過程における糖代謝の新規メカニズム解明やオートファジー研究で成果をあげている。Angela Quispe-Salcedo助教は、歯髄生物学研究の発展に尽力している。教室のその他の研究として、デンタルインプラントや歯の再植研究と多血小板血漿との併用研究、物質・材料研究機構(NIMS)との共同研究でオステオポンチン(OPN)ペプチドコーティングインプラント研究、樹状細胞賦活化研究などを進めている。病理画像解析のAIモデルの開発で先駆的な会社である(株)Medmainの役員である常木雅之研究員は、AI研究で多くの研究成果を発表している。
 マクロ解剖学研究にも取り組んでいる。インプラント手術時の舌下隙における動脈の損傷は口底部出血の原因となり、生命を脅かす気道閉塞を引き起こす危険性があるが、舌下隙での動静脈の走向パターンを類型化することできた。また、上歯槽神経・血管、眼窩神経、舌神経の走向や表情筋と顔面Fascia研究で新たな知見を得ることができた。これまでマクロ・ミクロ両面の歯学部解剖学教育に携わってきた経験がマクロ解剖学研究の大きな推進力になっている。

分野のホームページ

https://www5.dent.niigata-u.ac.jp/~hard-tissue/

主な研究テーマ図