顎口腔インプラント治療部

部門長  魚島勝美


教育内容

口腔インプラント学 Oral Implantology
顎関節機能障害 Temporomandibular Disorders

研究内容

 顎口腔インプラント治療部では,顎関節障害に関する研究と,口腔インプラントに関する研究を行っています.
 顎関節障害に関する研究では,覚醒時ブラキシズムと睡眠時ブラキシズムの評価として,超小型ウエアラブル筋電計を用いて終日の咬筋の筋電図を測定・分析し,顎関節症の原因や治療法を検討しています.また,顎関節障害患者は,咀嚼筋が固くなり疼痛や開口障害を訴えることがありますので,超音波エコーを用いて咬筋の硬さの定量的評価を行い,診断と治療に役立てています.また,顎関節障害患者にマウスガードを用いることが多いですが,マウスガードは細菌汚染され易く,口腔内環境を悪化する恐れがあります.そこで我々は抗菌性を持つマウスガード材料を開発しています.
 口腔インプラントに関する研究では,インプラント治療の後期失敗の統計的な解析や,インプラント除去方法の開発として,高齢インプラント患者から低侵襲でインプラント体を除去する新しい術式をラットを用いた動物実験で開発をしています.また,インプラント補綴を行った前後の歯列における咬合圧分布を計測し,天然歯を含めた咬合力の分析を行い,インプラントが歯列の中でどのような役割を演じているかを検討しています.さらに,高齢者のインプラントのメインテナンス方法の確立やプラークの付着しずらい表面性状を持ったインプラント上部構造についての材料学的研究も行っている.

臨床内容

 顎口腔インプラント治療部は顎関節症治療部門と,口腔インプラント治療部門の2部門を統括する新潟大学医歯学総合病院の中央診療部門です.
 顎関節症は,口が開かない,顎に音がする,顎が痛いといった症状を治療する部門です.顎関節症の原因は顎や筋肉に過負荷が加わることによって生じると考えられています.治療は顎や筋肉に加わる負荷を減らすこと,痛みや筋肉の緊張に対する対処療法を行います.初期治療として患者教育やセルフケア指導,理学療法,薬物療法,マウスピース療法が行われます. 3ヶ月を目安としたこれらの初期治療で,80%以上の患者様は症状が改善し,日常生活に支障が無い程度に回復します.
 口腔インプラントは,歯の欠損に対して人工歯根であるインプラントを用いて機能回復をする治療法です.インプラントは非常に長持ちする治療法ですので,欠損した部位のみでは無く,口腔内全体の長期経過を見越した治療法の選択が大切であると考えております.また,手術を伴いますので,術前の診査と診断をしっかりとして,安心・安全なインプラント治療を目指しています.

分野のホームページ

https://www.dent.niigata-u.ac.jp/tmd2/

附属病院のリンク

https://www.nuh.niigata-u.ac.jp/departments/center25

社会貢献

歯科医師を対象とした生涯学習セミナーを数多く開催し,社会貢献しています.