生体組織再生工学分野

分野長  泉 健次

izumik@dent.niigata-u.ac.jp

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教育内容

歯科理工学 Dental material science 
歯科理工学実習 Hands-on work of dental materials
生体材料学 Biomaterial
歯科医のための生体力学 Biomechanics for dentist(s)
切削/研削/研磨 Cutting/Grinding/Polishing

研究内容

培養口腔粘膜/皮膚作製、および臨床応用に用いることのできるコラーゲン製材の新たな展開
表面にヒト歯肉の真皮-上皮接合部の3次元凹凸形状を模したマイクロパターンが付与された、魚うろこ由来コラーゲン足場材の製造に成功した。上皮系の細胞を播種することで上皮脚様構造が形成され、その結果、より生体に近い培養口腔粘膜/皮膚が作製可能となり、医薬品/薬剤の毒性などの評価ツールとして利用可能で、動物実験代替法開発に寄与する。また、単体としても、口腔粘膜欠損組織再建材(バイオマテリアル)としての臨床応用を目指している。
口腔癌オルガノイドを用いた癌化学/放射線療法の癌治療効果とそれに伴う口腔粘膜炎に関する研究
患者由来がん関連線維芽細胞と隣接した正常口腔線維芽細胞に加え、正常口腔粘膜上皮細胞と口腔癌細胞の4種類の細胞から構成される口腔癌3次元モデル、“口腔癌オルガノイド”作製プロトコールを確立した。このヒトインビトロモデルを使うことで、抗がん剤や様々な放射線治療が癌組織と周囲正常口腔粘膜に及ぼす影響を同時に観察することができ、新しい口腔癌治療に伴う細胞生物学的解析ツールとして期待できる。
口腔粘膜上皮細胞の運動能(独自の画像解析ツールによる定量)と増殖能を制御するシグナル経路の研究:再生医療への応用
口腔粘膜上皮細胞において相関する運動能と増殖能は、EGF/EGFR シグナル経路とその下流にある Src/PI3K/Akt/mTOR 経路で制御されていることを明らかにした。培養細胞の運動能解析には、動画に対してオプティカルフローによる画像解析アルゴリズムを適用して定量評価を行った。この所見は、再生医療に利用する培養細胞の品質管理法に実装でき、かつ、これにより薬理学的操作によって細胞の大量培養法にもつながる。
石こうの硬化膨張圧に影響をおよぼす各種因子の検討
印象内の石こう模型の硬化膨張率には石こうの硬化膨張圧が影響する。石こうの硬化膨張率は模型の精度を左右するので、様々な角度から硬化膨張圧に影響を与える要因を検討している。
石こうの硬化膨張圧測定による硬化時間測定法の検討
通常実施されている針入度試験penetration testによる間歇的硬化時間測定ではなく、硬化膨張圧の持続的測定を行うことにより、硬化時間測定に応用する研究を進めている.

社会貢献

魚うろこ由来のマイクロパターン付きコラーゲン製材は当分野の研究シーズであり、株式会社CollaWindはその開発、製造、販売を行うスタートアップ企業として設立された。(代表取締役CEO 泉健次)

主な研究テーマ図